« Celtic Christmas 2003 | 最新記事 | 鎮魂歌としての漫画本、ふたつ。 »
なんともマグマな夜だった。
…舌の根も乾かんうちに、ライブに行ってきた(爆)。
今度こそ今年の最後になるだろうそれは、Maria Jonsson & Carina Normansson。スウェーデンからやってきた、女性ふたり組だ。
たとえば「夏の音楽はラテンでしょ、やっぱ」というのと同じノリで、木枯らしが吹く頃には北欧ものが恋しくなるものだ。まあ、真夏の炎天下に聴くヴェーセンてえのも、これはこれでアリでしょうけど。ともかく折りも折り、昨日あたりから日本全国この冬一番と言っていい寒さになって、いやがおうにも北欧気分が高まってくる。で、北風に吹かれながら、会場までとことこ歩いて行きました。
私が抱いているスウェーデン音楽の印象をひとことで言うと、とても「大地」なのです。それはもう、しっかり両足が地に着いているというか、そこからさらに根が生えて食い込んでるというか。それでもって、その根っこの先には、どろどろのマグマが渦巻いていたりするのだ。
実際のスウェーデンが活火山地帯なのかどうか知らないけれど、音楽を聴いていてイメージするのは、地下に渦巻くマグマだったりする。でもって、そいつはときどき、ぼこぼこっと地上に湧いて出たりするのである。そのぼこぼこっという音が、スウェーデンの伝統音楽だと思っているのだが、どうだろう。どうだろうって言われても困るか。非常にわかりにくいイメージで申し訳ない。
で、マグマ大使のおふたりだ。違う。とっても知的美人のおふたりだ。
Carinaの方はSWÅPのメンバーとしてよく知られていますね。でも、SWÅPとはまたイメージが違う。あっちはバンドの半分がイングランドだからなのか、どうか。そのへんは私にはよくわからない。
彼女たちは《Änglar》というアルバムを出している。そのジャケット裏の写真は、まだそこはかとなく少女の顔で、私はそのイメージのまま会場に向かったものだから、ちょっとびっくりした。今あらためてCDを見ると、1997年に作られたものだったんですね。そりゃあ、成長しますわな。
ツイン・フィドルで、ふたりともうたも歌う。Mariaのフィドルは少し大きめで、ヴィオラに近い、と言っていたような気がする。低音が腹に響いて、これがまた気持ちいいのだ。歌ものも同じで、主にMariaが低音パートを受け持っていたようだが、これがなんともマグマなのであった。もうぼっこぼこなのである。
ノンストップで70分くらいのステージだったろうか。何曲かやってくれたダンス・チューンも心地いいものだったし(スウェディッシュ・ダンスをいちどきちんと見ておかなければ)、歌ものもぼっこぼこだったし(こればっか)、いやあ、とても堪能いたしましたです。
12月21日、京都・Irish Pub field にて。
2003 12 22 [face the music] | permalink
Tweet
「face the music」カテゴリの記事
- ブルガリアン・ヴォイスにくらくら(2018.01.28)
- 55年目のThe Chieftains(2017.11.25)
- blast meets disney!(2016.09.11)
- ホールに響く聲明(2014.11.01)
- YYSB2014『展覧会の絵』『新世界より』(2014.06.29)
comments
ぎゃあ! マリアもカリーナも京都に来てたなんて知らんかったぞ。知ってたら森の宮の後,走ってでも駆けつけたのににゃあー。マリアさんのちょっと大きめの楽器はヴィオラ・ダモーレでしょう。スウェーデンでは弾く人が意外に多いようで。ラフ・ブランチの掲示板でも前に話題になってたように記憶してます。あ,クラシックの方ではバロック・バイオリンと言った方が通じ安いかもしれないけど,同じ物かどうか知らないのでした。マリアさんのは共鳴弦が確か多いのよね。この共鳴弦の音もマグマのイメージに繋がってるかな。
posted: わたなべG (2003/12/23 0:20:39)
ありゃ、それは残念でしたね。わざわざ名古屋から駆けつけた方もいらっしゃいましたが。
楽器名というのは難しいですね。タイコ系なんか特にそうですが、結局、野菜なんかと一緒で、その土地の気候風土に応じて変化するものなんだと思います。自分たちの出したい「音」というのがまずあって、それに合わせて手を加えていく。そういう意味で、民族楽器はまさに「地声の延長線上にあるもの」なんでしょうね。この日聴いたマリア&カリーナは、まさにそれでした。楽器も声も、まったく自分の身体から乖離していないところがすばらしかったです。
posted: とんがりやま (2003/12/23 13:42:28)
まいどです。やはり駆けつけるわけにはいきませんでした。
Gさん、ご無沙汰です。今回のはかなり急な話だったようです。
で、スウェディッシュ・ダンスなんですが、ノルディック・ノーツで売ってるBOOTのアルバムがエンハンスドになってて、そこにちょこっと映像が入ってます。このグループはトリオの楽器演奏と3人のダンサーの合体したものらしいです。ただ、このダンスがスウェーデンでどういう位置にあるのかはわかりません。途中、男性が腕立て伏せしてたりしますし。音楽はすばらしいです。
posted: おおしま ゆたか (2003/12/27 17:57:51)
おおしまさん、ようこそいらっしゃいまし(^^)。
BOOT《VIRVIA》は愛聴盤の一枚です。ただ、あのダンスについてはよくわからないですね。伝統的なスウェディッシュ・ダンスが旋回系であるらしいことはじゅうぶん読みとれるんですけれども。特にリズムとステップの関係が、あれだけではいまひとつつかみにくいです。
何年か前に大阪で民族音楽祭があって、テレビでダイジェストをやってた中にスウェーデンのトラディショナル・ダンスもちらっと映っていたように記憶してます。そのビデオテープ、部屋のどこかにはあるはずなんですけれども(苦笑)。
>途中、男性が腕立て伏せしてたりしますし。
このへんも「マグマ」たる所以でしょうか。なんでいきなり腕立て伏せなんだ、といつも大笑いです。
posted: とんがりやま (2003/12/27 22:52:04)