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これって、かなりもどかしい。

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英国カントリーサイドの民族誌 イングリッシュネスの創造と文化遺産
塩路有子著/阪南大学叢書66/明石書店/2003年3月刊
ISBN4-7503-1703-9  装丁・明石書店デザイン室


 英国コッツウォルズ地方。モリス・ダンスとセシル・シャープ。ドーバーズ・ゲーム。ウィリアム・モリスとケルムスコット。カントリー・ダンス。
 いずれも、キーワードとして非常にそそられることばだ。書店でこの本をみつけた時は、中をぱらぱらと見たっきりなんの迷いもなくレジに向かった。
 

 …それから3ヶ月。実は、まだ読んでいないのです。私は読書のほとんどは布団の中で寝ころびながらというスタイルなので、この本もいつも枕元に置いてあるんだけれど、全然すすまない。ここで扱っている世界は、かねてから詳しく知りたいと思っていた領域ばかりなのに。
 カラー口絵が4ページ。モリス・ダンスやメイポール・ダンス、あるいはドーバーズ・ゲームの楽しい写真が計8点。つづく「はじめに」をさくっと読み飛ばして(こういう部分は、私の場合、最後にもういちどじっくり読むことが多い)、目次を一瞥し、さて、いよいよ序章だ。
 


本書の目的の一つは、文化遺産の保全と活用を介して形成されるアイデンティティ「イングリッシュネス」(Englishness)に関するコミュニティ・レベルでのミクロ分析である。

 …ん、なんだなんだ。


従来の研究において、イングリッシュネスは、エスニシティと結びつけて考えられてこなかったが、本書ではイングリッシュネスを「イングランドのエスニシティ」として設定する。

 …あ、はいはい。


その場合に生じる従来の人類学などにおけるエスニシティに関する理論的蓄積との齟齬や問題点を示し、本書で論じるイングリッシュネスとその形成メカニズムに関する理論的なアプローチを明らかにしたい。

 
 …くー。
 
 あ。いかん。
 いえあの、言わんとすることは理解できてるつもりなんですけれど。たとえ平易な文章であるとは言いがたいにせよ。
 
 ある地域の伝統的な文化を現代にどう活かし、また将来にも継続させていくのかというのはとても興味深いテーマだし、具体的にはたとえば「観光」というかたちであらわれるそれが、土地の人々にどう作用しているのかといった考察も、とても意味のあることだと思う。うん、これはやっぱり早く読まねば。早く読まねば。読まねば。読ま…
 …
 …
 …
 …くかー。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「すげぇ面白い本だよぉ」と、知り合いに早く言いふらしたいのはヤマヤマなんだけど、肝心のテキストがいまだ読めずにいる。
 これって、かなりもどかしい。
 けして著者のせいではないんだが、こっちだっていつも「読む気まんまん」で向かっているのだ。なんで毎日毎晩、同じページの同じ行を何度も何度も眺めてしまうかなあ。で、いつのまにかぱたんと本は閉じられ、気がつけば朝なのだ。
 これって、そうとうもどかしい。
 ナニも律儀に初めから読まなくても、とりあえずいちばん面白そうなパートから読めばいいじゃないか、と思って試してみたんだけど、やっぱり同じ。どのページも、なぜかひとつとして頭に入らない。
 これって、イヤになるほどもどかしい。
 
 本日の結論。睡眠薬入りの用紙を使うのはやめましょう。(違
 本日の結論。読書にも、やっぱり相性はある。

2003 12 11 [booklearning] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

「booklearning」カテゴリの記事

comments

悪訳の見本みたいな本ですね。大学での会話以外の日本語に不自由している学者先生の翻訳は,どれもこれも読む気がしないですわ。興味が引かれるだけに,ったくもう・・あ,天の声が・・「原書で読み給へ」・・Zzzz。

posted: (2003/12/12 10:50:03)

うんにゃ。翻訳書ぢゃないんですだ。
博士論文に加筆修正したものだそうですが、そっか、こういうのを悪文と言うんだ。
まあ、私と合わなかっただけかもしれませんので、本屋で見かけたらちょっと立ち読みしてみてくださいな。

posted: (2003/12/12 13:38:24)

あ,ほんとだ。塩路有子「著」って書いてある。(愕然) それにしてもこんなおかしな文章じゃないと認めてもらえない世界なんでしょうかね。論文って。序章の冒頭を改訳(?)してみましょうか。

 本書の目的の一つは,文化遺産を継承しながら活かすことによって形作られる英国らしさ・英国人らしさについて,地域社会に目を向けて細部を分析することである。

これだったら読めるんじゃ?

posted: (2003/12/13 1:33:35)

うーん、お呼びくださってうかがいましたが、
この本はうーん、言葉が出ませんなあ。
ひょっとして、参考文献一覧に

Cris Shore & Susan Wright, eds., Anthropology
of Policy, London, 1997.

という本がありませんか。だとすると、大体、見えた。

posted: (2003/12/20 1:51:53)

Michealさん、ご訪問感謝です。
巻末の参考文献一覧には、その題名の本はありませんでした。
これは、論文集なんでしょうか。

わたなべGさん、その調子で全訳してみます?(笑)

…えーい、こうなったら意地でも読破してやるぞ、いつかそのうち。たぶん。きっと。(弱気)

posted: (2003/12/20 14:26:46)

はい、批評論文を集めたものと思います。
ぼくは未入手なんですが、マッキャンとオ・リーレと
いう人が、アイルランド語と英語とをアイルランド音楽
の伝統の中で比較する論文で引いていました。

日本流の言いかたなら「考現学」というのが近いんじゃ
ないでしょうか。だけど、たぶん、この人たち(ショアら)
はフランスの思想、特にフーコーに負っているんじゃないか
と読む前のぼくは踏んでます。もしかしたら、その考えかた
がこの塩路さんの本に入っているのかなあ、と思ったん
ですが、どうも考えすぎだったようですね。

posted: (2003/12/23 19:31:38)

 

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