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ブルターニュで踊ろう

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 fest-noz  Danses Bretonnes
 Keltia Musique  KMCD134/2002年

 メール・マガジンクラン・コラの2004年1月号にも書いた、2003年のベストの一枚。ブルターニュのダンス音楽集のCDだ。

 ブックレットには分解写真付きでステップの解説まで載っていて、これさえあればもう明日からでもブレトン・ダンスはばっちりだね! と書きたいところだが、そうは問屋が卸しません。やっぱり、まず実際に踊っているところをこの目でみなきゃ、なんにもわからない。第一、解説がみんなフランス語だし(Keltia Musique に連絡すれば英訳を送ってくれるとのこと)。まあ、たとえば1〜2度手ほどきを受けたって人には、習ったステップを思い出すよすがになるのかも知れませんね。
 こちとら習ったことはおろか、ブルターニュのダンスをまともに見たこともない。なのでもっぱら聴いて楽しんでいるだけなんですけれども、それだけでも結構おもしろいのであります。
 
 全15曲のコンピレーション・アルバムで、参加ミュージシャン/グループは Bagad Kemper, Skeduz, Barzaz, Skolvan, Annie Ebrel/Noluen Le Buhe, Kornog, Tud, Koun の8組。初めて聞く名前がほとんどだし、気の利いた解説などもできませんが、インストありうたモノありだから私のような万年シロートでも充分楽しめるというぐあい。
 好きなトラックはいくつもあるけれど、たとえば tr.5 の Skolvan〈An Dro-Ar c'hwezh nevez 1.2.3.4.〉はブラスの音色がひたすら気持ちいい。この曲のステップ解説写真を見るとサイドステップをずっと繰り返すのかな? 音楽もエンドレスに続くかのような陶酔感があるし、なるほどこういう曲に乗って踊るとさぞ楽しいだろうなあ。Skolvan はもう1曲、tr.11 にも入っているが、こちらも“明るい呪術”とでも言うようなエンドレスな陶酔感があり、大好きになった。機会があったらこのバンドのアルバムを探してみようっと。
 
 
 fest-nozとは、英訳すると〈night dance〉だそうだ。fest-deiz,つまり day danceというのもあって、どちらもここ50年ほどのあいだにリバイバルされたらしい。そういう意味ではアイルランドのダンスとおなじく「古くて新しい」ダンスだと言える。
  
 このCDはもちろん全編ダンス・アルバムなんだけど、さっき書いたようにヴォーカル入りのトラックが多いのも興味深い。というのも、アイリッシュ・ダンスでは歌をダンスの伴奏にすることはまずほとんどないのだ。うたとダンスがあれだけ見事に分離しているというアイルランドの例は、実は世界的に見ても珍しい部類に入るんではという気がしていて、同じ<ケルト圏>だのなんだの言いながらも、こういう部分にも「地域性の違い」はあらわれているのですね。

2004 01 27 [dance around] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

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