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タップ・ダンサーたちの物語
TAP! (reviced edition)
The Greatest Tap Dance Stars and Their Stories, 1900-1955
Rusty E. Frank / foreword by Gregory Hines
Da Capo Press / U.S.A
ISBM0-306-80635-5 1994年 (reviced edition)
Book design:Jaye Zimit / Front cover design:Trudi Gershenov
ダンサー&ダンス研究家のラスティ・フランクさん(最近ではリンディ・ホップの教則ビデオも出してますね)が1990年に出版した、タップ・ダンサーたちの聞き書き集。上の写真は1994年の改訂新版のものです。
いつものことながら(って私だけか)買って何年もそのままになっていたのを、先日アン・ミラー死去の報に触れて、そういえばこの本に載ってなかったっけと手に取って以来、少しずつ読み…というか眺めてます。まあ、そんなに難しい英語ではなさそうなので、大意だけならワタシでもなんとか読み取れそうなのがありがたい。
本書に登場するタップ・ダンサーは、総勢30組。初版刊行後、94年の改訂までに亡くなった方もけっこういて、ほんと、タイミング的にはぎりぎりだったんだなあと(序文を書いたグレゴリー・ハインズも03年に没してます)。そもそもこの本のアイディアは、著者のダンスの先生でもあった Louis DaPron が、1987年に74歳で亡くなったのを新聞で読んだのがきっかけとなったんだそうで、「往年のダンサーたちの聞き書き」を試みるには最後のチャンスだったんでしょうね(とはいえさすがに、82年に亡くなったエレノア・パウエルには間に合いませんでしたが…)。
目次と索引がamazon.comで見られますから、登場人物の詳細はそちらに譲るとして、巻末の充実したフィルモグラフィ/ディスコグラフィなど資料としても一級の価値があるこの本、タップ・ダンスの歴史を知る上で必携本でしょう。それぞれのダンサーが語る思い出話(陳腐な言い方ながら、ひとりひとりに深い物語があるんですよねえ)も興味深いものばかりで、当時のブロードウェイやハリウッドの匂いをかぐことができます。
で、なんでもっと早く読まなかったんだろう、と少々後悔してます。というのも、初版以来評価がよいらしく、この本を元にしたドキュメンタリまで作られていたそうなんですね。《TAP! The Tempo of America》というタイトルのそれは、しかし現在はヴィデオソフトとしては流通していないようで、もっと早く気が付いていればなあ。いつかそのうちDVDで復活してくれることを願うのみです。
2004 02 07 [dance around] | permalink
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