« シンポジウムをネットラジオで | 最新記事 | 『少年少女』完結を言祝ぐ »
Lマガジン『京阪神「まちのもじ」特集』に拍手!
L magazine No.346(2004年6月号)
京阪神エルマガジン社/雑誌コード01979-6
いやもう、これはタイポグラフィが大好きでタウンウォッチングが好きな私のためにあるような特集であります(^_^)。
関西圏の情報誌『京阪神 エルマガジン』6月号〈京阪神「まちのもじ」特集〉。堂々32ページ。見覚えのあるお店も初めて知るところも、こうして看板文字をじっくり見るとそれぞれ特徴があって、面白いです。
表紙写真を見ればおわかりのように、誌面に多く取り上げられているのはやはりアンティークな風合いものが多いです。いいかえれば、長年変わらぬ商売をやってきたお店がそれだけたくさんあるということで、喜ばしい限り。
こうした店舗ロゴが魅力的なのは、けっして「デザインが素晴らしいから」ではないんですね。文字だけを取り出して、この雑誌の表紙のように機械的に並べてみれば、どれもクセのあるけっこうヘンな書体だったりします。なのにそれが、店舗という空間では実にあたりまえのような顔つきになってしまうのが不思議です。
たとえ有名デザイナーの手になるこりに凝ったデザインだろうが、逆に創業者が自ら手書きした素人細工であろうが、そういうこととはほとんど関係なく、愛される店は長く残るし、残念ながらわずか数年で消え去ってしまうことだってあります。で、おそらくは、長年愛されてる店ほど店名ロゴなんてふだん誰も気にとめていないと思います。いきつけの喫茶店なんかだと店名すら覚えてないって場合も多いでしょうし。
店そのものがすっかり街の風景の一部になってしまうと、どんなにアクのあるロゴデザインだっていつの間にか空気のような存在になっていくのかもしれません。
特集の最後には江崎グリコの社名ロゴをデザインしたグラフィック・デザイナー奥村昭夫さんへのインタビューも載っていて、なかなか勉強になる一冊でした。ネーム屋さんの刺繍で作った特集タイトルもキュート。担当編集者とエディトリアル・デザイナーに、拍手喝采です。
2004 05 03 [design conscious] | permalink Tweet
「design conscious」カテゴリの記事
- 中川学さんのトークイベント(2018.07.16)
- 大塚国際美術館へ(2017.07.17)
- 『デンマーク・デザイン』展(2018.05.06)
- 薄井憲二さんのバレエ・コレクション!(2018.04.08)
- ブランドとしての<ブリューゲル>(2018.04.01)