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5年後よりも50年後が気になる

 おくればせながら、ITmediaの2日前の記事より。
 
 ITmediaライフスタイル:デジタル音楽販売、5年後には17億ドル規模に

 ガクモン的なことに全く疎いので非常にソボクな疑問なんですが、いまの世の中「5年後の予測」にどれほどの信頼性があるんでしょう。まあ、短期的にみるとなんだかんだと事件の多い昨今であっても、所詮人間のやること、中長期的レベルでの観測ではそんなに大きな誤差は生じないのかな。
 
 それはともかく、こういう記事を読むと、Appleあたりが売れないMacよりもiPodに力を注ぐのもよくわかるし、ショーバイとしては今がいちばん大事な時期なんだなあとも思います。
 しかしながら、私はむしろ次の一文の方がちょっと気になったり。

 米国の音楽市場は4年間にわたって落ち込みが続いているが、デジタル音楽に牽引されて再び上昇に転じるとJupiterResearchは予測。ただ、CDに取って替わる存在にはならず、音楽販売がピークだった1999年のレベルに戻ることもないと見ている。

 なんだ、結局じり貧なんだ。ていうか、「ピークだった頃」が突出して異常だっただけ、ってハナシなんでしょうけども。
 
 ともあれ、再利用できる過去の資産が底をつく前に、新しく魅力的なコンテンツがどれほど「生産」されるかが、5年後以降の“成長具合”のカギになるんでしょうかね、おカタく言うと。
 
 同サイトには7月23日付の音楽配信サービスのブレイクには何が必要?という記事もあり、その中ではポイントとして「オープンプライス」を挙げてます。ブレイクスルーとしては価格は確かに重要なんでしょうが、長い目で見ればやがてそれなりの線に落ち着くことになると思います。
 私はそれよりも「ストックを切らさない」ことを大事にして欲しいと思うんですよ。早い話が、ある曲が20年後30年後50年後でも簡単に手に入れられることができるかどうかってことです。
 ひょっとしたら「あの曲は抹殺したい過去なんだ」っていう風な、アーティスト側の意向っていうのも中にはあるでしょうし、もっと複雑に利権がからんでどうにもこうにもならない場合だってあるんでしょうが、単純に技術的には、実現は容易なはずです。少なくとも、CDショップよりも遙かに多くのタイトルを常時ストックできるはず。だったら、その利点は最大限活かしてほしい。
 
 なんでわざわざこういうことを書くかというと、音楽をビジネス寄り一辺倒で考えると「過去3年間いちどもアクセスのなかった楽曲は順次消去します」とか、そういうアホな意見が出てきそうじゃないですか。管理費用の削減のため、とかなんとか理由をつけて。できればそれは勘弁して欲しい。ていうか、それじゃやってることが従来のパッケージメディアビジネスと変わんないし。
 
 それとも、今の配信ビジネスは50年も持たず、将来的にはまた別の形態へシフトする、っていう読みもあるのかな? だとしたらビジネスぜんたいが「今この瞬間のヒットチャートだけでショーバイになる」ような仕組みになっていってもおかしくないかも。
 
 …「永遠性」ってやっぱり見果てぬ夢、なのかなあ。
 
 

2004 07 29 [face the music] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

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