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[exhibition]:大(Oh!)水木しげる展

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 八日市の第9回世界妖怪会議には残念ながら行けなかったけれど(参考/相容れないけど、あれいいな:第九回世界妖怪会議/八日市は妖怪地)、かわりに展覧会に行けたからいいや。
 

大(Oh!)水木しげる展
監修:荒俣宏、京極夏彦
 
鳥取県立博物館 2004年4月29日(木)〜5月30日(日)
主催:鳥取県、鳥取県教育委員会、鳥取県立博物館、朝日新聞社
 
福岡県立美術館 2004年6月4日(金)〜7月11日(日)
主催:福岡県立美術館、朝日新聞社、九州朝日放送
 
大丸ミュージアムKOBE 2004年8月4日(水)〜8月16日(月)
主催:朝日新聞社
 
大丸ミュージアムKYOTO 2004年8月19日(木)〜8月31日(火)
主催:朝日新聞社
 
岩手県立美術館 2004年9月11日(土)〜10月31日(日)
主催:岩手県立美術館、朝日新聞社、岩手朝日テレビ
 
江戸東京博物館 2004年11月6日(土)〜2005年1月10日(月)
主催:(財)東京都歴史文化財団、東京都江戸東京博物館、朝日新聞社
 
新津市美術館(新潟) 2005年1月15日(土)〜4月3日(日)
主催:新津市文化振興財団、朝日新聞社
 
北海道立旭川美術館 2005年4月9日(土)〜5月22日(日)
主催:北海道立旭川美術館、朝日新聞社
 
岐阜市歴史博物館 2005年6月3日(金)〜7月24日(日)
主催:岐阜市歴史博物館、岐阜新聞・岐阜放送、朝日新聞社
 
高知県立美術館 2005年7月31日(日)〜9月25日(日)
主催:高知県立美術館、朝日新聞社

 
 いま会場と会期を書き写していて初めて知った。1年以上をかけて全国の美術館・博物館を巡回する、これは大プロジェクトだったんですねえ。すごいすごい。
 
 いやね、会場に入った途端、こりゃあただのデパートの夏休み子供集め企画とは違うぞ、とビックリしたわけですよ(実は入場券を買っている時はそう思っていた)。なんというか、本気度が違う展覧会。ひとりの作家の回顧展として、かなり充実した内容でした。さすが荒俣宏・京極夏彦プロデュースと銘打つだけのことはあります。ちくしょう、こいつぁ大丸ミュージアムなんて中途半端な会場よりも、もっときちんとした美術館なり博物館で観たかったぞ。
 
 特に驚いたのが、10代の頃の水彩画やスケッチ、自作の絵本など。画家を志していたそうで、なるほどとは思うものの、それにしても上手い。器用といった方がいいのかな。1920年代から30年代当時に流行した、さまざまなタッチやスタイルの模倣ではあるけれど、それにしたってこんなに上手になんて、なかなか描けるものではありません。「天才少年現る」と評判だったそうで、さもありなんと思いました。
 
 水木しげるは戦争でニューギニアに赴き、そこでマラリアに罹り左腕を失うことになります。この戦争体験がのちの人生観と作風を決定づけるわけなんですが、そのあたりの細かな事情や、復員後の紙芝居〜貸本屋時代の作品など、貴重な展示物がいっぱい。とくに貸本時代の作品は、SFから少女もの、時代劇からスポーツものまで、その作風の幅の広さがすごいです。とにかくなんでもこなさなければ食っていけなかったとはいえ、少年時代の器用さがここで活かされるんですね。
 
 
 もちろん、漫画家の展覧会なので茶目っ気もたっぷり。いちばん笑ったのは、<60年代を飾った伝説のGSバンド、ザ・ビンボーズのお蔵入りレコード>であるEP盤『ぺったらぺたらこ』の実物が展示されてあったことでしょうか。こ、これは聴きたいぞぉ〜。
 
 出口付近に展示されていた、世界各地の人形や仮面の民俗資料コレクションも圧巻だったし、昨年話題になった大判錦絵『妖怪道五十三次』原画も、やっぱり何度観てもキレイ。
 とにかくお得な展覧会でした。これから観に行かれる方、どうぞお楽しみに。

2004 08 22 [design conscious] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

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comments

この冊子、結構安くて内容も濃くてお得ですよね。
買い!です。

posted: akino (2004/08/23 23:17:52)

コメントありがとうございます。
実はそれほど期待していなかっただけに、余計面白かったです。
ちょっと水木漫画をまとめて読みたくなりました。

posted: とんがりやま (2004/08/24 1:03:27)

 

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