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トゥバ、はるか

TuvaOrBust.jpg トゥバの音楽に興味を持ちだした頃、かの国の関連本を探しているときに、ニフティのワールドミュージックフォーラム〈FWBEAT〉で教えてもらった一冊。ただ、残念ながらその時はもう単行本は版を絶っていたようで、どこの書店でも見つからなかった。今ならネットで古本をあたるところだが(うちの近所には図書館がないんですぅT_T)、まあそのうち文庫に入るだろうと気長に待っていた。なにせ人気シリーズだし。で、ようやく、岩波書店がめでたく文庫化してくれました。待ってたよぉ。やっと読めるよぉ。うるうる。
 
●ファインマンさん 最後の冒険
 ラルフ・レイトン著 大貫昌子訳/岩波現代文庫 S97
 ISBN4-00-603097-5/2004年8月刊(単行本は1991年初版)
 装丁者名記載なし
 
 で、今ゆっくり楽しんでいるところ。いやあ、期待を裏切らぬ面白さ。どんどん読み進めたいんだけれど、ページを繰るのがもったいなくなるという、本好きなら誰もが経験している“幸福なジレンマ”に陥っております。あぁ幸せ。
 
 
 時は1970年代末期から80年代。ひょんなことからトゥバという国の存在を知ったノーベル賞物理学者ファインマン先生は、なんとかこの国を訪問することができないかと、あの手この手を使ってチャレンジしていく。モスクワ五輪のボイコットなど、まだまだ米ソの冷戦構造が厳然とあった時代で、そういう時代にソヴィエト連邦の奥深い地を訪れることなど、夢のまた夢のような物語だった。だからこそ、彼はトゥバ行きに最晩年の情熱をかけたのだろう。本編で繰り広げられる、ユニークでユーモラスで、しかしいかにも学者らしい周到な準備と計画の数々は、陳腐な言い方だがこれぞ「大人の遊び」。次々やってくる難問を根気よく解決していくプロセスそれ自体が、すでにスリルと興奮に満ちた冒険談になっているのである。
 
 リチャード・ファインマン自身は、悲願だったトゥバ訪問実現を目前にして、残念ながらこの世を去った。彼の遺志はラルフ・レイトンが継いで、後には盲目のブルーズ・シンガー、ポール・ペニャのトゥバ行きを描いたドキュメンタリー映画『ジンギス・ブルース』という映画まで作っている。この映画は本書を読む前に米盤のビデオを観たことがあるが、この本を最後まで読んでから、もういちど映画を見直すつもり。たぶん面白さが倍増するはずである。
 
 
 トゥバがらみで、CD紹介をひとつ。ファインマン直系でいうとラルフが米国に招聘した ONDAR(コンゴロール・オンダー)が、1999年に出した《Back TUVA Future》(Warnar Bros. / 9 47131-2)が手許にあるが、これはウィリー・ネルソンやランディ・スクラッグス、サム・ブッシュなどのカントリー畑ミュージシャンとの共演盤という、まあ珍盤といっていい種類のもの。面白いアルバムではあるので、機会があればまたいずれということで、今回取り上げるのは、トゥバの人気グループ、フーン・フール・トゥの2001年のライブ盤である。


HuunHuurTuCD.jpg

 
●Huun-Huur-Tu Best Live
 JARO 436-2/2001年
 Jacket Artwork by Fuego
 
 音源は2001年4月に行ったライブ。場所がカレリア共和国というのが、個人的に興味深い。実は翌2002年夏に、フランスはアンジェでの彼らのライブを観てきた人がいて、このCDはそのときに現地で買ってきてもらったもの。
 
HuunHuurTuSign.jpg

 
 直接自分で貰ったわけではないからアレだけど、サイン入りなのがちょっと自慢(^_^)。会ってきた方に伺ったところでは、トゥバの人たちは小柄で、日本人みたいですごく馴染むんだそう。一緒に撮った写真も見せてもらったら、なるほどまるで親戚のおじさん達に囲まれているようだった。
 
 中身の方は、これはもうフーン・フール・トゥ節が炸裂で、同時に出た《More Live》(JARO / 4264-2)と合わせて聴けば完璧だろう。ていうか、なんで2枚組で出さなかったのかが不思議なんだけど。
 
 というわけで、目ではファインマン本、耳からはホーメイ(喉歌)と、トゥバにどっぷり浸っている夏の終わりなのでした。
 
 

2004 08 30 [wayfaring stranger] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

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comments

はまるところが似ていると、いろんなところで重なるのですね(笑)ジャンベに続き、です。どこかでお会いしてるかもしれませんね。

私も、一時期、ホーメイ/ホーミーにはまってました。タルバガンってご存知ですか?そのメンバーのひとりのトゥバ話から、ぐいぐい、引き込まれてゆきました。ファインマンさん、むさぼり読みました!

彼らの生ホーメイを間近で聞いたときの衝撃は忘れられません。一人で2つの歌声をだすからだけではなく、人間の身体に共鳴する人間の声、そしてそれを伝える空気の震えに感動したのです。気持ちよかった!!!

フンフルトゥは、アース・セレブレーションに来たときにいきました。
動物の鳴きマネ(?)がたくさん入る、とてもステキな曲があるのですが、夕暮れだったせいもあったのでしょう、鳥たちがコンサート会場(屋外)によってきて、一緒に鳴いていました。これも気持ちよかったです!

posted: (2006/08/24 21:35:23)

 コメントありがとうございます(^_^)
 昨年の愛知万博以来、ホーメイ方面にはちょっとご無沙汰気味ですが、たまにCDを聴くとホッとします。タルバガンも懐かしいなぁ。
> 気持ちよかった!!!
 ほんと、この一言に尽きますよね。人間の声のもつ、底知れぬ奥の深さに身震いします。

posted: とんがりやま (2006/08/25 0:31:23)

 

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