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バス停を探せ
京阪四条駅は地下にある。ある日のこと、仕事で大阪に出ていて、夕方遅くに京阪電車に乗って帰ってきて、川端通沿いのいちばん南側の、繁華街からはもっとも外れた出口から地上に出て、道路を渡ろうと信号待ちをしていたら、一見日本人のようにも見える老夫婦が英語で話しかけてきた。
よくわからないけれど、どうやら「ここから京都駅までは遠いのか?」と言っているようだ。えーと、カネのない学生時代なら歩いたこともあったけど、まあ常識的にはとんでもない距離でしょう。
Too far、とかなんとか答えると、今度は京都駅行きのバス停はどこにあるか? と来るので、またもや詰まった。うーん、あたしゃふだんバスってほとんど使わないのよ。
川端通は鴨川沿いを南北に走る比較的大きな通りである。市バスくらい何本でも走っているだろう、と思ってまわりを見回してみたが、なにしろ日はとっぷり暮れているし、バス停があるのかないのか、よくわからない。とりあえず南へ向かえば目的地に近づくことは確かなので、じゃあ一緒に歩きましょう、ということで川端通を南進することにした。思えばコレが大きな間違いだったんですね。
行けども行けども、川端通にバス停なんてないんですよ。四条通(市内を東西に走るメインストリート)を境にして、そこから南の川端通ってちょっと変なことになっていて、支線というのかな、道路が上下ふたつに分かれていて、上を走るメイン道路には歩道がない。つまり、どう見てもバス停があるようには思えない道路なのでした。ちなみに、四条通ならバス停があるのは知ってるし、交番だってあるし、商店街だから人通りも多い。よりによって、いちばんひとっ気のないところで道を尋ねたのがそもそも老夫婦の誤算だったんですねえ。そこに輪をかけたのが、こういう時にカンが働かないことにかけては天才的なニブさを誇るワタシなのであった、と(笑)。
ちょっと歩いて、こりゃダメだぁとすぐに気がついて引き返せばよかったのに、なんとなくそのままずんずんと歩いてしまった(ここらへんが天才的なニブさのユエン)。で、そのまま京都駅まで歩いてしまったのでした、というオチではないけれど、内心どうしよう、と少々焦りましたな(ちなみに、まともに歩くとたぶん4〜50分はかかると思う)。
誰かに尋ねようにもそもそも人通りもなく、コンビニさえない暗い道だ。川端通って、四条から南になるとこんなに地味な道路だったのねえ。などと感心している場合ではない。後ろからついてくる老夫婦がますます不安そうにしているではないか。いや、私もかなり不安だったんですけど。
ようやく小さな飲み屋を見つけたので、すみませーん、ここからいちばん近い京都駅行きのバス停ってどこでしょうか、と訊ねた。いやはや、まさか自分が京都駅への道を訊くハメになるとは思わなかったです。もちろん、そこはかとなく「観光客のフリ」をしながら質問したのは言うまでもありません(笑)。
やはり川端通にはバス停はないとのこと。教えられたとおり、ここから道路2本分西にある河原町通まで出て、ついにバス停を発見した。ああよかったぁ。バス停に表示されている路線図を指さして「17番」か「205番」のバスが来たらそれに乗ってね、と確認してから老夫婦と別れる。ふたりはしきりに恐縮していたが、いえいえこちらこそ、ものすごぉく遠回りをさせてしまってゴメンナサイねえ。
旅の教訓。地元民ならなんでも知っているというのは、たぶん間違いであります、ハイ。…え、それってワタシだけ??
2004 09 30 [living in tradition] | permalink
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