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[DVD]:ブルキナ・ファソのドラムとジェンベ

 
 

Djembes.jpg

 
 前回取り上げたチベット舞踊のDVDは、実は原盤はPAL/NTSC両用ディスクだったらしい。日本発売盤には片面にラベルが貼られているので、PALで見ることはできないようだが。
 一本のソフトにPAL/NTSCフォーマットが両方入っていて、複数の言語が自由に選択できるというのは、DVD時代になって初めて実現した(レーザーディスクではダブルフォーマットなんて可能だったんだろうか)。異なる仕様で大量に製造・販売できないマイナージャンルにとっては、これはそうとう便利だろう。今回取り上げる作品も片面NTSC、片面PALで、もちろんリージョンコードは無制限だ。
 
●Tambours Et Djembes Du Burkina Faso
 PS69001/2003年
 PLAYSOUND(SUNSET FRANCE)
 輸入・販売:東京エムプラス
 フィルム・チャプター26分、クリップ43分、フォト・ギャラリー付/リージョン:All/PAL・NTSC(両面ディスク)
 
 …と書きながら実はこのディスク、収録言語が英語とフランス語、字幕がドイツ語だけというのがちょっと痛い。せめて字幕だけでも日本語を用意してもらえればなあ。
 
 それはともかくとして。ジェンベは日本でも人気の高い楽器だ。本来は西アフリカの太鼓なんだそうだが、“ワールド・ミュージック”界隈では文字通りワールドワイドに使われていると言ってもいいだろう。底意地の悪い言い方をすれば、バンドにこの楽器ひとつあるだけで「なんとなくワールドミュージック風」なスタイルになれる、かもしれない。このディスクは、そんなジェンベを中心に、かの地のさまざまな打楽器を紹介するものだ。タイトルにもあるように、全編ブルキナ・ファソで収録されているとのこと。
 
 
 このDVDはちょっと複雑な構成になっている。ナレーション入りの総論の映像(ジェンベの製作過程なんかが見られる)の他に、演奏やダンスだけをじっくり観られるクリップが11曲も入っていて、これだけでも音楽アルバム一枚分のボリュームだ(他に、さまざまな楽器を紹介した静止画像を36枚収録)。このクリップ集が秀逸で、ナレーションもないから言葉のことなど気にせず、ひたすら音楽に聴き惚れることができる。もちろん演奏の途中でぶったぎられるようなこともない。PCM2.0録音ということなので、音声はクリアで迫力がある。映像もすこぶる美しく、このパートだけでも観る価値は非常に高いと思う。
 クリップのタイトルは以下の通り。パッケージには仏英独の三カ国語で表記してあるが、そのうちの英語版と、東京エムプラスが独自に付けているオビから日本語タイトルを引き写す。
  1. The djembé and the dance ジェンベと踊り
  2. The calabash drum ひょうたんの太鼓
  3. The drum for the initiation ジェンベの手ほどき
  4. The sacred drum 聖なる太鼓
  5. The royal drum 王家の太鼓
  6. The water drum 水太鼓
  7. The drum for ploughing 仕事の太鼓
  8. "Folongoto" フォロンゴト
  9. "Lanea" ラネア
  10. "Bete" ベテ
  11. "Nabouwo Dahera" ナボウウォ・ダヘラ

 8曲目からいきなり意味不明のカタカナになるが、これはおそらく曲名だろう。一部分、演奏者のクレジットが入っているのがあって、[01]は Senufo、[02]が Lobi、[03]が Gan となっている。[08][09]が Tahirou Djembé ensemble、そして[10][11]が Hérémankono ensemble とのこと。それ以外は記載がないようだ。
 
  
 当たり前すぎてかなり間抜けな感想になるが、ジェンベにしろその他の楽器にしろ、やはり「現地」の風景と人々のなかにあるそれは、とても生々しくダイナミックだ。ヨーロッパや北米のミュージシャンが得意げに叩くそれと、同じ太鼓とはちょっと見えない。「本当に身体にいい野菜は地元産のものに限る」という考え方があるが、楽器だって、そしてそれを使って奏でる音楽だって、やはりその土地風土から切り離されてしまうと、とたんになにか別種のものに変貌してしまうのかもしれない。…や、もちろん、外国産の珍しい野菜だって美味しいし、栄養だってあることには違いないんだろうけど、ね。

2004 11 26 [face the music] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

「face the music」カテゴリの記事

comments

いまごろ、だとは思うのですが・・・

ブルキナに住んでいました。ちょうど、このビデオに出演しているグループの地域のひとつです。

Senoufoはセヌフォ、Lobiはロビ、Ganはガンといい、それぞれ、民族グループの名前です。セヌフォの人々はコートジボワールなんかにも住んでいます。ロビやガンの人々の伝統文化、かなり興味深いです。

Tahirou Djembé ensembleとHérémankono ensembleはグループの名前ですね。 どちらも名前に意味がありそうです。

曲名のうちカタカナの分とあわせて、また現地ででも聞いてきます。でも、3.の「ジャンベの手ほどき」は違うと思うんですけど。「(大人になるための)通過儀礼のジャンベ」だと思います。

ブルキナに行く前は(例の)ジャンベのみのアンサンブルを好んで聞いていましたが、向こうに行ってから、バラフォンとのスリリングなアンサンブルが大好きになりました。そこに踊り手でも入れば、たまりまへんな~、です。ジャンベや腕と足につけた、しゃんしゃん、って鳴るのと一緒に、盛り上がります。

お正月なんかには、日本の門付けのような感じでミュージシャンが町内を回り、うちに来て演奏したときはお庭に近所の人がいっぱいきて、大ダンスパーティーになってました。

なつかしー

ちなみに、グリオの歌(というか、うなり?)も、とてもとても大好きになりました。現代グリオは、市長の演説の合いの手を入れたり、AIDS啓発で車に乗ってマイクでうなってまわったり、時代と共に微妙に変化しつつ、その社会的役割を果たしていました。なんだか新鮮でした。

posted: (2006/08/24 21:09:32)

 はじめまして。コメントありがとうございます。
 ブルキナに住んでらしたんですか。それは羨ましいです。空の色ひとつとっても、日本と相当異なるんでしょうね。いつか夜空を眺めてみたいものです。
 グリオに関しては興味はあるものの、まだまともに聴いたことがないんです。手に入りやすいCDでおすすめなどありますか?

 そういえば、上記DVDの世界とはまた異なりますが、もうすぐ河内長野にもやってくるKonono No.1のライヴも心待ちにしています。
http://www.lovelyhall.com/
 2日間ともチケット買っちゃいましたが、終わったらたぶんへとへとになりそうな(笑)。まあ、それが楽しみなんですけれども。

posted: とんがりやま (2006/08/25 0:17:32)

グリオ出身のアーティストCDは数々あれど、私も肝心のグリオの語りをCDで聞いたことはないですね・・お役にたてなくてごめんなさい。その筋の研究者またはミュージシャンに会う機会があれば聞いてみますね。期待せずにお待ちください(笑)

それをいっちゃあおしまいよ的セリフですが、もーぜひぜひ、行ってしまって下さい、祭りの季節に。そして、生グリオを堪能してください。村でなくても、地方都市でも十分です。ブルキナファソはフランス等では「アフリカ初心者向けの国」と言われているらしく、(英語が通じにくいのはさておき)、比較的安全で旅行はしやすいと思います。マリにもバスですぐですよ。

私の聞いていたのは結婚式なんかの庶民生活密着場面だったからでしょうか、観客(?)との掛け合いがありました。大爆笑が起こるのですが、すべてアフリカン・リズムの現地語(デュラ語)なので、大まかにしかわかりませんでした。そうそう、現地語の挨拶も音楽的でした。掛け合いのリズムがすごーく大切なんです。

キャバレーと呼ばれる、掘立小屋のような場所で、地酒を飲みつつ演奏を聴くというのも、かなり楽しいようです。ボボ・デュラッソ(ビバラムジカに出てきたところです)のボロマコテという古い地区に、すごくいい感じのところがあると聞きました。キャバレーなら昼間ですし(夜は閉店)。とにかく、あの空気の中で、ぜひぜひ。他の観客と合わせつつ、時々ミュージシャンと目で語りつつ踊ると楽しさ倍増です。あと、案外、地元ディスコで踊り狂うのも普通に楽しいです。特に、クリスマスと元旦がお勧め。ちなみに、祭りの季節には、アフリカ伝統音楽楽団の演奏はあちらこちらで聴けます。自分でオーガナイズもできると思います。そういえば、私の知り合いの弟は、ジャンベ修行に来ていましたねーーー

ビバラムジカ、読みました。アフリカが懐かしくて懐かしくて、いとおしくていとおしくて、身体が熱くなりました。もちろん、ザイール(キンサシャ・コンゴ)とは、一味もふた味も違うのですが共感するところもたくさんあって、うれしくてうれしくて。こんなに「心」を使って読書をしたのは久しぶりです。

ああ~止まらなくなりそうなので、この辺にしておきます。日程が重なるため、東京のアフリカン・フェスタとぐずぐず迷っていたのですが、河内長野のKonono行ってみようかな。

そうそう、ウスマン・センベーヌの「母なる大地」という女性性器切除についての映画、9月大阪、10月には京都公開のようですね。この映画はブルキナファソの村で撮影されていて、主要使用言語がジュラ語なので、挨拶が結構しっかり聞けます。

http://www.alcine-terran.com/main/home.html

posted: (2006/08/28 2:47:57)

 とってもわくわくする、臨場感あふれるコメントをありがとうございます!(^_^)やはり実際に現地に立ち、五感をフルに使ってナマで体験するっていうのは何にも勝りますねぇ。
 映画の情報もありがとうございます。この手の作品は劇場公開が短いので、忘れずチェックしとかなくちゃ。

posted: とんがりやま (2006/08/28 23:15:12)

 

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