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William Claxton の新刊が出るようで
久しぶりにぶらっと通販サイトをうろついていたら、ビル・クラックストンの新しい写真集が来年(2005年)出るらしいことを知って、ををを。
Claxton, Jazz Life
Extra Large(2005年3月発売予定)と Ltd. Artist's Edition(2005年6月発売予定)と、値段がずいぶん違うんだけど、どういう差なのかな。 Ltd. Artist's Edition の方は#1から#4までリストされていて、それぞれ ISBN が異なるということは、全4巻っていうことなのかな? それにしても一冊がえらく高いですね(版元が Taschen にしては、ですけど)。こちらによると、どうやらオリジナルの音楽CDが付いているようです。ふうむ。
William Claxton の著作リストを、参考までに。Amazon日本で検索した Results はこちら。米 Amazonの方はこちらをどうぞ。あ、ちなみに当サイトはアフィリエイトはやってませんです。
で、今度の新刊ですが、彼のオフィシャル・サイトに何か情報が載っているかと思ったけれど、どうもまだインフォがないみたい。ま、Taschen だったら、輸入美術書を扱ってるリアル本屋さんで比較的入手が容易じゃないかな、と楽観視してみたり。やっぱ、こういう本は実物を手にとってから買うかどうか決めたいですしねえ。
さて、William Claxton といえば、2001年制作の伝記映画『JAZZ SEEN』でありますね。それ以前からこの人の名前は、ジャズの古い写真集で覚えていたのだけど、まさか今も現役の人だったとは、この映画を観るまで全然知りませんでした。ファッション写真家でもあったことはさらに思いもよらなかったので、この映画は本当に驚きの連続でした。
【写真上】
●JAZZ SEEN カメラが聴いたジャズ
監督:ジュリアン・ベネディクト/2001年ドイツ映画
DVD:発売/レントラックジャパン、BIG TIME ENTERTAINMENT/REDV-00038(2002年)
ドルビー・デジタル/本編77分+特典映像6分
今年の1月に自動車事故で亡くなったヘルムート・ニュートンとの写真談義などは、ものすごく貴重な映像になってしまいましたね(涙)。
最近あらためて見直してみましたが、チェット・ベイカーを撮影したときに「はじめて“フォトジェニック”の意味がわかった」と語るシーンなど、とても印象的でした。いやあ、何度観てもクールでお洒落な作品だわぁ。
【写真下】
●WILLIAM CLAXTON'S JAZZ
Twelvetrees Press/1987年初版
ISBN0-942642-28-7
design by Jack Woody
1950年代中頃から60年初頭にかけて撮影された「マスターピース」と呼ぶにふさわしい作品ばかりを集めたこの写真集、私の手許にあるのは second edition ですが、しっとりと深みのある黒のマットインクを使った印刷が美しいです。ちなみにこれはアメリカの出版社の本ですが、印刷は日本の凸版印刷が刷っています。きめ細やかな仕事は、さすがです。現在は出版社の違うペーパーバック版(1997年版)が流通している(used を除く)ようですが、使用紙とか印刷の具合とかはどうなのかな。
ここに登場するミュージシャンはそれはもう<綺羅、星の如し>で、Billie Holiday, Mahalia Jackson, Sarah Vaughan, Dinah Wasington, Anita O'Day といったディーバから、New Orleans のブラス・バンド、Ray Charles, John Coltrane, Miles Davis, Sonny Rollins, Horace Silver, Zoot Sims, もちろん Chet Baker, Gil Evans, Charlie Parker, Thelonius Monk,…って名前を列挙するだけでそっくりそのままジャズ人物名鑑が出来上がってしまいますね。
この写真集をはじめて見た十数年前はカメラマンがどういう人なんて全く知らず、ひたすらすげえなあ、かっこいいなあ、なんでこんな写真が撮れるんだ、と、ただただ見惚れておりました。上の映画では、実際にクラックストンが撮影するシーンがたくさん出てくるんですが(それにしてもシーンごとに全部違うカメラ使ってますな)、たとえ撮影の現場を見せてもらっても、やっぱりどうやればあんなショットが撮れるのか、まったく不思議です。ま、イチローがどうしてあんなに簡単そうにヒットを打てるのかが、スロービデオを何度見ようが凡人には全くわからないのと同じで、カメラマンの眼と運動神経なんてわれわれ素人にはまずわかりっこないんですが、でもこういういいものを見た後って、なんだか自分でもかっちょいい写真が撮れるかも、なんてつい思ったりするんですね。いざ実際に演奏の現場を撮ろうとすると、もちろんまったく手も足もでないんですけど(笑)。
2004 12 26 [face the music] | permalink Tweet
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