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"The Cartoon"〜The New Yorker 誌の80年(2)
漫画で綴るアメリカ現代史…と言うにはかなり偏っている気がするけれども、それでもこれだけ積み重ねられると自ずと時代を語るようになる、という良い見本のようなシリーズ。次に掲げるものもペンギンブックス版である。

Originally published :1985
Published in Penguin Books, 1986
ISBN0-14-008111-9
Design and Layout by Joseph Carroll, John Murphy, and Bernard McAteer
同書は1985年に米国でオリジナルが出版され、翌年には英国の出版社からと、それとは別に上のペンギンブックス版も出ている。50年分を一挙に収録した前作に比べこちらはたかだか10年分だけれども、作家数は86名、ボリュームも充分である。ちなみに、ここまでの3冊にもれなく名前が載っている漫画家は Charls Addams, Whitney Darrow, Jr., Chon Day, Robert Day, Charles E. Martin, Frank Modell, Geroge Price, Mischa Richter, William Steig, Saul Steinberg, Barney Tobey の11名。最短でも25年以上は第一線で活躍したという証明になろうか。いずれにせよ、余人には真似の出来ない功績には違いあるまい。
他に私でも知っている名前を探すと、ここでようやくサンペ J.J.Sempé が登場するのが嬉しい。「1925-1975」にはロナルド・サール Ronald Searle の名も見えるが、こちらにはない。
肝心の中身だが、私がこの本を手に入れた80年代後半の時点でもアイディアが陳腐すぎて、なにが面白いのかさっぱりわからない作品も多い。この頃になるとスタインバーグなどはすっかり「ドローイング・アーティスト」になっていて、すでに「カートゥーンの時代」ではなくなっているんだよなとしみじみさせられる。ただし、そんな中でも Charls Addams あたりは誰にでも笑える漫画をきっちりと描いていて、もうそれだけでとんでもなく凄い人だなぁと思う。
ところでこの雑誌は、中に掲載される漫画もさることながら、表紙もすこぶるいい。現在では、過去の作品のいくつかはオリジナルプリントとして販売もされており、額装して楽しめるようになっている。ということで、次回は表紙絵の作品集について。(この項、続きます)
2005 01 07 [design conscious] | permalink
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