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Värttinä聴きまくりっ!(1)
最近、若い知人にヴァルティナを聴かせたらとても興味深そうにしていた。じゃあってんで、近所の大型CDショップに一緒に行ったのだけど、もう店売りってダメダメですねぇ。ワールドミュージック系コーナーの品揃えの薄いこと薄いこと。ううむ、数年前ならヴァルティナあたりでもめぼしいアルバムはたいてい手に入ったのに。
しかし、タイミングが4〜5年ずれるだけで出会う機会が限られてしまうというのは、考えてみれば恐ろしいですね。ロックやジャズやクラシックの定番モノとかだったらまた違うのかもしれないけれど、こちらの感覚としては「ついこのあいだ」の音楽がどこにも売ってないというのは、なんだか気持ちが悪い。
ま、そこで今やインターネット通販ですよ音楽配信ですよ、っていう話になるんだろうし、大きな流れとしては確実にそっち方面に向いているんだろうけど、でもねえ。年齢とか関係なしに、パソコン持ってないとかネットには繋げてないとか、そういう人だってまだまだ多いはずで。そういう人たちはいずれ「淘汰されてく」って話でホントにいいんですかねえ?
…てなコトはここまでとして、ヴァルティナであります。個人的には90年代を通じていちばん熱心に聴いていたバンドのひとつ。グループの経歴などは、オフィシャルなものとしては The Music Plant のサイト内にヴァルティナの日本語ページができてたり(ちなみに、本家はこちら)、個人サイトでも Värttinä Vox というすばらしく充実したページがありますので、詳しくはそちらをご覧くださいまし。
ま、こちらでも以前 RÖTYSKÄ SONGS について書いたこともあるし、私も久々にヴァルティナを集中して聴きまくってみようかなと思う。せっかくだから「その周辺」なんかもできるだけ織り込んでみるつもり(コレクターじゃないので、もちろん不完全ですけど)。
なお、上にリンクしたふたつのサイトは、このエントリを書くにあたって大いに参考資料とさせてもらいました。謝謝。
●The First Album
WPCR-5558/1997年(オリジナルは1987年作)
ワーナーミュージック・ジャパン
ヴァルティナが結成されたのは1983年だが、最初のアルバムが出るまでに約4年かかっている。結成当初、メンバーの関心は自分たちの故郷(フィンランド南東部カレリア地方)の民謡の保存と継承にあって、プロのミュージシャンとしてレコードセールスの世界で生き抜こうとするものからはうんと遠くにあったと推測できる。たぶん、アマチュアもしくはセミプロとしての活動で充分と考えていたのではないだろうか。もともと民謡や伝統音楽の世界とはそういうものであり、まさか十数年後に世界ツアーをやるようになるとは、誰ひとり夢想だにしなかっただろう。
ファースト・アルバムは、10代の少年少女計21人という大所帯での録音。歌声も演奏もとても初々しい。一聴、思わず「元気があってよろしいっ。」などと、小学校の先生になってしまいます(笑)。全17曲中、歌ものは7曲。インストゥルメンタル・バンドでもあったんだなあ。なお、上の写真は再発盤で、オリジナル盤とは曲順が変わっている由。
収録曲の大半は「トラッド」だが、この時点ですでにオリジナルが含まれていることにも注目したい。アレンジのクレジットは当時のリーダーだったサリ・カーシネン Sari Kaasinen 名義になっている。
日本盤の解説書に附いている歌詞の訳を見ると、[09]の「カレリア地方の子守歌」を除いて全て恋の歌。もっとも、[05]「まともな男がほしい」なんて歌もあって微笑ましい。こういうのは<お国柄>といってもいいのかな。(以下、続きます)
2005 01 12 [face the music] | permalink Tweet
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