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Värttinä聴きまくりっ!(10)
【もくじ】
◆Värttinä聴きまくりっ!(1)
◆Värttinä聴きまくりっ!(2)
◆Värttinä聴きまくりっ!(3)
◆Värttinä聴きまくりっ!(4)
◆Värttinä聴きまくりっ!(5)
◆Värttinä聴きまくりっ!(6)
◆Värttinä聴きまくりっ!(7)
◆Värttinä聴きまくりっ!(8)
◆Värttinä聴きまくりっ!(9)
●Värttinä 6.12
MWCD 4036/2001年
FRÉA RECORDS
ヴァルティナはライブアーティストとしても一級であることは1998年に体験したライブでも実感したのだが、意外にもライブ盤はこれが初。2000年6月12日にヘルシンキで行われたライブを収録している。全14曲に、ボーナストラックとして QuickTime で見られるライブヴィデオが1曲。オープニングを飾りヴィデオ版も収録されているのは『Ilmatar』の [06]「Aijo」というナンバー。曲の途中でじいさんの呪文が挿入されるという、おどろおどろしくも迫力たっぷりな楽曲だ。
比較的新しめの曲がラインナップされているが、個人的には「Kylä vuotti uutta kuuta」が入っているのが嬉しい。ブックレットの英文解説によると、この曲はカレリアのウェディング・ソング。タイトルは Waiting for the new moon もしくは The village awaits the new moon となるそうで、カレリアでは結婚式が行われているあいだに新月の刺繍の入ったスカーフをゲスト間で回して、ご祝儀を集めたという風習があるのだとか。「兄(もしくは弟)は狩りに行って、素手で素晴らしいガチョウを捕まえてきた」という内容の歌。素晴らしいガチョウとは、もちろん花嫁を指す。
ヴァルティナのアルバムはきっちりと作り込まれた隙のない録音ばかりなだけに(特に『Vihma』以降)、このライブ盤のような臨場感たっぷりの演奏が聴けるのは嬉しい。
●iki
MPKM 010/2003年
KORUNA MUSIC
この年に結成20周年を迎えたヴァルティナの、オリジナル作品としては通算10枚目のアルバム。またもや主要メンバーが大幅に入れ替わっていて、このCDにクレジットされているメンバーはヴォーカル3人、バンド6人の9人編成だ。
すっかりオトナのバンドになったなあ、というのが第一印象。相変わらず独自の世界を突っ走っているしトータルな安定感というか貫禄もあるのだが、かつてのような衝撃を受けることはもう、ない。
もっとも、はじめて聴いたアルバムが『iki』だったという人とは、受ける印象は自ずと違ってくるだろう。そんな方は、最新作から過去アルバムを順番に遡って聴いてみるというのも面白いぞ、とおすすめしておく。ヴァルティナのアルバムは、それぞれに微妙だけれども決定的に異なる個性を持っていて、決してまっすぐ一直線に歩んできたわけでもなければ十年一日の如く同じことを繰り返しやっているグループでもないことが、今回まとめて聴いてみてよくわかったからだ。ま、メンバーチェンジの激しいバンドというのはどこでもその傾向が強いんだろうけど。
さて、2005年1月現在の最新ニュースとしては、つい先日リリースされたばかりのSimon Ho のアルバムにヴァルティナのメンバーのうち何人かがゲスト参加しているという(未聴)。が、そろそろオリジナルのニュー・アルバムも聴いてみたい。おおよそ2年ごとに目立った動きのあるバンドなので、ごく近いうちには嬉しいニュースも聞けるのでは、と期待しているんだけれど…さて、どうかな。(了)
2005 01 22 [face the music] | permalink Tweet
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