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Värttinä聴きまくりっ!(3)

 
varttina04
 
●sirmakka / sirmakka
 MIPUCD 101/1992年
 MIPU MUSIC

 ヴァルティナをそのスタート時から引っぱってきたサリとマリのカーシネン姉妹は、同時にシルマッカ Sirmakka というグループでも活動している。実はシルマッカの結成は1986年というから、ヴァルティナのファースト・アルバムがリリースされる1年前にさかのぼる。
 で、新生ヴァルティナの「デビュー」作となる『Oi Dai』のあと、カーシネン姉妹はヴァルティナに集中することになるのかと思えばさにあらず。シルマッカはシルマッカとして、1992年にファースト・アルバムを出してしまうのである。
 初期ヴァルティナと、アルバムリリース以前のシルマッカのメンバーがどれだけ重なっていたのかはわからないが、『Oi Dai』時点でのヴァルティナとこのアルバムのシルマッカを見比べると、重複しているメンバーは Sari および Mari のカーシネン姉妹の二人だけのようだ(シルマッカにはさらに弟の Jussi も加入している)。
 レコーディング・メンバーは20名、ほとんどが10代というから、まるで初期ヴァルティナの再現でもある。全10曲中過半数がトラッドというのもヴァルティナ流だ。じゃあヴァルティナと同じじゃねーか、なのであるが、たぶんこのアルバムの持つ意味は全く異なると思う。
 歌詞内容は棚に上げて単にサウンド面からの印象に過ぎないが、シルマッカの方がより「野卑」で、より「土俗」だと思う。『Oi Dai』以降のヴァルティナは、どんどん現代的に洗練されていくのだけれど、だからこそ故郷カレリアのいかにも朴訥としたテイストを、カーシネン姉妹は決して捨て去ることができなかったのだろうと想像してみる。新生ヴァルティナは彼女たちにとっての大きな賭けだったはずだが、それだけに故郷への想いも、より一層強くなったのかもしれない。
 カーシネン姉妹にとってこのアルバムの制作はたんに郷愁などではなく、自分たちの「立ち位置」を再確認するためにどうしても必要な作業だったんだろう。サリ・カーシネンが設立した自分のレーベル MIPU MUSIC からの第一弾CDでもある。
 
 
varttina05
 
●SELENIKO
 SPRITCD 517.467-2/1992年
 Sonet/Polygram
 
 上のシルマッカとどちらが先に制作されたのかは知らないが、いずれにせよこの時期はたいへん忙しかったに違いない(余計なお世話だが、ちゃんと学校に行ってたんだろうか)。新生ヴァルティナとしては2枚目、通算4枚目のこのアルバムも、同じ1992年にリリースされている。このアルバムと続く『aitara』によって、ヴァルティナは完全に自分たちの世界を確立したと言っていい。今聴いても新鮮な名曲揃いで、セカンド・アルバムにも収録されていた「Kylä Vuotti UUta Kuuta」の再演などは涙ものである。全14曲だが全くのトラッド・ナンバーがなくなり、詞か曲のどちらかにメンバーが手を加えたもの、あるいはメンバーのオリジナル楽曲が増える。また、これまではオリジナル楽曲はほぼサリ・カーシネンの独壇場だったのが、クレジットに他のメンバーの名前がどっと載るようになる。このアルバムによって、以降のバンドの方向性が決定したと見ていいだろう。(以下、続きます

2005 01 14 [face the music] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

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comments

はじめまして。音楽公演の企画制作をしております。

「ヴァルティナ」の初代メンバーでもあったパウリーナ・レルヒェ東京公演のご案内です。

Pauliina Lerche パウリーナ・レルヒェ

今年の"Music from Finland" の第二弾、Real & True Live Series は "Pauliina Lerche" (パウリーナ・レルヒェ)です。フィンランド・カレリア地方出身のヴォーカリスト・アコーデオン/カンテレ奏者の彼女は、ワールド・ミュージックのフィールドで世界中のファンを魅了する「ヴァルティナ」の初代メンバーでもありました。

独特のメロディーとリズムはカレリア地方の伝統的なダンス・ミュージックをベースに編み出されています。曲のサンプルを聴いてみてください。http://www.bigstream.co.jp/sample/pauliina.html

+ Real & True Live Seriesでは昨年、フィンランドのアコーデオン奏者Kimmo Pohjonen (キンモ・ポーヨーネン)率いるバンド"Kluster TU" の公演  を行っています。

+ フィンランドのアコーデオンは他のヨーロッパ諸国のものとは一線を画す音色とメロディーを持っています。中でもMaria Kalaniemi (マリア・
カラニエミ)のものは独特ですが、パウリーナ・レルヒェはマリアの代わりを務めるほどの実力の持ち主です(二人ともシベリウス・アカデミー
出身)。


パウリーナ・レルヒェ公演は5月28日(土) 16:00 開場 16:30 開演


アサヒ・アートスクエア (アサヒスーパードライホール4F)  墨田区吾妻橋1-23-1

posted: todo (2005/04/26 13:19:09)

公演ご紹介ありがとうございます。
うわぁ、東京での一回きりのコンサートなんですか。
非常に興味はあるんですけれども…。
この次にはぜひ関西にもお願いしますっ!

posted: とんがりやま (2005/05/06 13:14:15)

名古屋の愛知EXPO での公演が決まりました。詳細は近日中に発表させていただきます。

posted: (2005/05/20 10:34:50)

今年もPauliina Lerche 公演があります。今度は関西です。京都RAGで3/6 です。是非どうぞ。

posted: Office Ohsawa (2007/01/07 18:36:43)

 東京、愛知ときてようやく関西初上陸なんですね\(^o^)/。お知らせどうもありがとうございます。これは見逃せませんね。平日だけどなんとか都合をつけたいなぁ。

posted: とんがりやま (2007/01/08 22:18:11)

 

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