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支配する犬

幕末小説を読んでいると、「幕府のイヌめ」などという言葉に出会う。
また、犯罪小説や映画では「警察のイヌ」などという言い方もよく聞く。もちろん、警察犬のことではない。「権力の手先」を意味している。
これらの言葉には、侮蔑の意味がたっぷり込められている。愛犬家にとっては実に理不尽な言いまわしであって、動物愛護団体から抗議が殺到したおかげで、現在では使用禁止用語になった…という話は、しかしまだ聞いたことがない。たぶん、今もフツーに使われているんじゃないか。…よくわからんけど。
ところで、上の写真はとある駅前のシティホテルで撮ったもの。ロビーで人を待っているあいだに入ったトイレに、この貼り紙はあった。
支配犬。
なにやら恐ろしい語感ではある。幕府のイヌよりもはるかに手強そうな気がする。なにしろ、こちらは手先なんかではなく、イヌそのものが支配するんである。…よくわからんけど。
よくよく見れば、手書きによるいたずらである(当たり前か)。しかし、そのわりには、ワープロの明朝体を結構テイネイに真似ている。ヒマだねえ。

これも一瞬気づきにくいのだけれど、「いたします。」の「。」を塗りつぶし、さらに「!」に変えている。しかし、この「!」がついたことによって、「ああ、ここのホテルの支配犬さんはトイレの紙づまりにほとほと困ってんだよな」というのがより強く伝わってくる、ような気がする。…よくわからんけど。
ところで、話が連想ゲームのように飛躍するけれど、「一日駅長」とか「一日郵便局長」みたいなイベントがたまにある。新聞の地方版の片隅に載る程度のほのぼのニュースだけど、それはそれでPR効果みたいなものを多少なりとも期待できるからこそ、飽きられもせず続いている風習なんだろう。
で、最近ではペットと一緒に泊まれるホテルとかも増えているから、キャンペーンで「一日支配犬」とかやったらどうだろう。ペット好き芸能人に話をもちかければ、けっこう簡単に実現できるんじゃないか。それとも、この程度のアイディアならとっくにどっかの代理店がプレゼン済み実行済みなのかな。…よくわからんけど。
もっとも、犬に支配されたホテルに泊まりたいとは、ワタシなんぞはまったく思わないのだが、同じように犬の方だって「支配犬っても、所詮トイレの紙づまりを注意するだけかよ、ケッ」ということになれば、あまりすすんでやりたいとも思わないんではないか。困ったことである。
…なにが困ったことなのか、結局よくわからんけど。
2005 04 20 [funny face] | permalink
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comments
以前、シドニーの地下鉄で防犯対策の"POLICE ON BOARD"というサインの頭の'PO'が消されて、"LICE ON BOARD"になっている傑作を見たことがあります。
けど、字体にまで凝るとは、犯人はひょっとして・・・(以下略)。
posted: 熊谷 (2005/04/20 16:01:36)