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さながら 子どものように

 

絵本作家の長新太さん死去

 絵本作家の長新太(ちょう・しんた、本名・鈴木●治=すずき・しゅうじ)さんが25日、中咽頭ガンのため東京都内の病院で死去した。77歳。(●は「秋」の下に「手」)
 告別式は7月1日午前9時半、品川区西五反田5の32の20桐ヶ谷斎場。喪主は妻、フミさん。自宅は公表していない。(以下略)(2005年6月26日13時19分: 読売新聞


絵本作家の長新太さん死去
asahi.com:2005年06月26日18時25分

 素朴でユーモアあふれる作風と、奇抜な発想で知られる絵本作家の長新太(ちょう・しんた、本名鈴木●治=すずき・しゅうじ、「●」は「秋」の下に「手」)さんが、25日午後3時17分、中咽頭(いんとう)がんで死去した。77歳だった。通夜は30日午後5時30分、葬儀は7月1日午前9時30分から東京都品川区西五反田5の32の20の桐ケ谷斎場で。喪主は妻フミさん。

 東京都生まれ。高校卒業後、漫画をかき始め、戦後間もなく新聞の漫画コンクールに入選して漫画家に。その後、絵本、エッセーなどに活躍の場を広げた。

 特に絵本の分野では、大胆な絵と意表をついたストーリー展開で、数々の秀作を生んだ。「ごろごろ にゃーん」「キャベツくん」シリーズ、「なんじゃもんじゃ博士」などで多くのファンを持つ。

 59年、「おしゃベりなたまごやき」(文・寺村輝夫氏、福音館書店)で文芸春秋漫画賞を受賞。77年に「はるですよ ふくろうおばさん」で講談社出版文化賞絵本賞を受けたほか、「みんなびっくり」「ぞうのたまごのたまごやき」で小学館絵画賞(84年)、「ゴムあたまポンたろう」で日本絵本賞(99年)など受賞多数。94年には紫綬褒章を受章した。

 5年前からがんのため入院、手術を繰り返していた。今年5月に入院する際に出版社に渡した「ごろごろ にゃーん」の続編は、来年4月に刊行される予定。


 
 
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 私が持っているなかでは、いちばん最後の著書が上の写真。
●長新太のチチンプイプイ旅行
 長新太著/平凡社/2004年3月刊
 ISBN4-582-83180-X
 装丁・造本:木村祐治+川崎洋子(木村デザイン事務所)
 
 ANAの機内誌に長く連載されていたものだから、きっと目にしていた方も多いはず。まさか出るとは思わなかった単行本は、折込みというのか綴じ込みというのか、凝った仕掛けの多い本で、大笑いしながらたっぷり楽しませてもらいました。全ページこれセンス・オブ・ワンダーつーかナンセンスのカタマリなんですが、「シンクロナイズドスイミングが得意な、スニーカーを履いた自由な大都会」はちょっと忘れられません。なんのこっちゃと思われるでしょうが、いえ、これ、文字通りそのまま絵になってるところをぜひご覧いただきたい。海から上がってタオルで拭いてる大都会なんてイメージ、他に誰が絵にできます?
 
 それにしても、まさか長さんが。いえ、ひとはいつかは寿命を迎えるんですが、この方の訃報は本当にショックでした。その仕事をあまさず追いかけていたわけではありませんし、そのすばらしさの全貌を語れるほど詳しくもないんですけど、ずっとずっとファンでした。
 
 長新太本のなかでもっとも幾度も読み返した『長新太アンコール』(今江祥智編/すばる書房/1977年刊。<怪人タマネギ男>のなんと愉快なこと!)の巻末エッセイに、今江さんが引用されたポール・エリュアールの詩の一節を、ここに孫引きさせていただきます。
 
あなたは さながら 子どものよう
あなたは さながら 子どものように
大きい…
(書くこと描くこと刻むこと)

 
 長い間ありがとうございました。そして、お疲れさまでした。
 どうぞ安らかにお休みください。
 

2005 06 26 [booklearning] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

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