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コピペでレポート
最近は、大学でのレポートはウェブ上のテキストをそのままコピー&ペーストするだけで済ませてしまうというのが多いそうで。
話題の発端は、おそらく武田徹 the official web site:オンライン日記:2005年8月22日付の「ざる蕎麦」で、この記事を受けてARTIFACT@ハテナ系にはいくつもの関連記事が紹介されています(参照/大学のレポートのコピペ問題、レポートコピペする大学生は何のために大学行ってるんだろうか?、丸写しレポートとの戦い)。それぞれのエントリにつけられたコメントも興味深く、いろいろ考えさせられました。
私は学生でも大学講師でもないので、こういう問題にもただのヤジ馬としての感想しか持ち得ないんだけど、まず思ったのは「これって別に大学生だけじゃないんじゃないの」。中学生あたり、ひょっとすると小学生でも高学年なら似たようなことをしてるヤツもいるんじゃないかなぁ。
これは丸写し問題とは関係ないんだろうけど、今は小中学生向けの夏休みの自由研究リンク集なんてものもあるんですね。小学校の頃、夏の宿題を何にしようかまったく決められなくて困っていた者にとってはうらやましい話だけど、工作や飼育観察ものではない、調べもの方面の課題だったら、ここからリンクをみっつよっつ辿っていけば、それこそ簡単なレポートなんてすぐできそう。ま、小学生ならネットを駆使して調べものができるっていうだけですごいって認められそうだけど。
話を大学生のコピペレポートに戻すと、なんでもブラウザからプリントアウトしたものをそのまま提出する剛の者もいるそうで(参照/大学教員の日常・非日常:レポート丸うつしを見破る方法)、せめて独立した文書として成形してから提出する程度の労力はかけろよ、とは思いますわね。その手間さえかけないというのは、ちょっと飛躍した言い方になるかもしれませんが学生の意識の中に「私」と「公」の区分けができていないのかも。だって、学校に提出する文書だからいちおう公的なモノでしょ。「自分以外の第三者に読ませるもの」という意識が少しでもあるんなら、ちょっとは体裁も考えなきゃ。たとえそれが「とりあえずなんでもいいから出せばOK」なレポートであっても。
とりとめのないままこのエントリはおしまいにしますが、そういえば自分のウェブログのアクセス解析を眺めてると、ドメインが「×××.ac.jp」からのアクセスもそこそこあります、解析ログで「.ac.jp」や「.ed.jp」ドメインを抽出させて、おおぉ、有名国立大学からアクセスきてるぅ、などと単純に喜んじゃうワケですよ(笑)。ただ、よくよくリファラを調べてみると、検索ワードが開催中の展覧会とか前売りが開始されたコンサートやショウの名前だったりして、どうやらとくに<お勉強>目的で訪問されてるんではなさそうですが。ま、そりゃそうだわな。
さらにとりとめのないままに。
そういえば以前『自分で調べる技術』(宮内泰介著/岩波アクティブ新書117/ISBN4-00-700117-0/2004年7月刊)という本の感想を書いたときに引用させてもらったことがあるけど、
どれだけ活字情報があふれ, どれだけインターネット上の情報があふれていたとしても, この世の情報のほとんどは, 書かれることもなく, 人々の頭の中に眠ったままです.
ネットや本でいろいろ調べものをするたびにこの言葉が頭に浮かび、ああ、やっぱり名言だなあと思うのであります。
2005 08 31 [booklearning] | permalink
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