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そこんとこ、夜露死苦。

 
 前回のエントリでネタにしたような「おもしろ看板」は、タウンウォッチングの定番中の定番といいますか、通のあいだでは「看板にはじまり看板に終わる」と言われている(のかどうか知らんけど)、とにかくまあそんなジャンルですな。
 いや「おもしろ」と言うとホメ過ぎか。「脱力」というか「トホホ」というか「_| ̄|○」というか(←どう発音するのか知らんけど)、そういうたぐいの看板(つかネーミングか)は、いったいこれまでどれほどネタにされてきたんだろう。老舗『VOW』シリーズ(宝島社・刊)に投稿・掲載されてるだけでもかなりの数に上ると思うし、インターネット上にはさらに膨大な数の物件がアップロードされてるはずだ(一例/Googleイメージ検索:おもしろ看板)。
 
 長年の『VOW』愛読者でもある私はその手のネタが好きで、いつも大笑いしながらも「しかしまぁ、こういうヘンテコ系はいつかネタが尽きるに違いあるまい」とか「このテのもたいてい見飽きたよなあ」などと思っていたんだけど、なんのなんの。
 街を歩いているといまだに思わず脱力してしまうというか、トホホになってしまう看板に不意打ちされることがある。そう、不意打ちなんである。本や雑誌やウェブサイトを見るときと違い、こちらに心の準備ができてない時にくらう不意打ち、コレが効くんですな。
 
 世にトンデモの種は尽きまじ、なんであります。たぶん人類が生存している限り、脱力系ネーミングは地上からなくならないと思うんであります。
 

Because
 
 写真の物件は、「脱力系」というにはまだカワイイ方かもしれない。
 たぶんというかおそらくというかきっと、英語のBecauseにかけているんだと思う。なんでBecauseなのか、その理由は不明だが、アポストロフィが「はぁと」型になっているところを見ると「Because I Love You」とかなんとか、命名者はそんな感じのポップス・ナンバーをイメージしていたのかもしれない。知らんけど。
 この物件の場合「びこう」とルビが振ってあるのが、余計にわびしさを醸し出している。がしかし、このルビがなかったら、瞬時に判読しにくいのも確かなのだ。いやまったく、ルビは偉大である。つーか、日本に「ルビ」ってモノがなければ、「当て字文化」など生まれなかったはずなのだ。少なくとも「0840=オハヨー」だとかの、電話番号無理矢理カタカナ読みってのは存在しなかったに違いない。  
 
 きちんと調べたワケではないのだけれど、この種の「ダジャレ店名」とか「当て字店名」とかは、圧倒的に飲食店関係が多いような気がする。たぶん全トホホ系ネーミングの7割くらいのシェアは占めてるんじゃなかろうか。なんだろこれ。飲食店関係者に共通するメンタリティとかなにか関係あるんだろうか。ひょっとして調理師学校のカリキュラムにしっかり入ってるんじゃあるまいな。知らんけど。ちなみに第2位は美容院方面と見てるんだけど、どうだろう。どうだろうって言われても。
 
 これまたよく調べずに書くのだが、というか最初から調べる気などないのだが、たとえば〈来夢来人(ライムライト)〉という名のスナックあるいは喫茶店は、おそらく日本国中いたるところにあるんじゃなかろうか。少なくとも都道府県あたり3軒くらいはありそうな気がする。チェーン店でもないクセに。同じく〈舞夢(マイム)〉は全国に85軒くらいはあるんじゃないかと思うし、〈度理意夢(ドリーム)〉だってもしかすると全国に2軒くらいならあるかもしれない。知らんけど。
 
 
 …と書いてきて、こういうダジャレというか当て字の言葉遊びは、日本人のDNAに組み込まれてるんじゃなかろうかと思えてきた。かつて聞き慣れない外来語やカタカナ言葉を、どうにかして自分のモノにしたいという欲求から生み出された、かなり間違った方向だけど、ともかく結果のひとつではあるんだろう。いかにも外国の文明や文化を雑多に取り入れ独自のやりかたで消化してきた日本人ならでは、という気がするではないか。しないかな。
 
 実は“外来語の当て字”レベルはまだ微笑ましい方で、「ふれ愛」だの「たすけ愛」だの「めぐり愛」だのという、シベリア寒気団並みに背中を寒くさせる“ほのぼの当て字系”も一方にあって、こっちもなかなか絶滅してくれない。この手のは飲食店名というよりも、交番や公民館など公共施設の手書きポスターなんかに多用されてるという印象があって(たしか愛・地球博にも「ふれ愛ひろば」ってのがあったはず)、そのぶん、むしろ根が深くて罪が重いんじゃないだろうか。なんの罪かは知らんけど。
 
 
 ということで、なんの結論もオチもないまま、このエントリーはおしまい。
 日本人は、書きことばでは当て字・ダジャレがとっても大好きだけど、ちなみに、はなしことば方面では、七五調という強力なフォーマットがありますな。これもまた 根っこがずずんと 深いよな(←七五調)。
 いったいなんなんだろうね、これ。誰か、このへんの事情を詳しく解き明かしてる本などご存じでしたら教えてくださいな。そこんとこ、夜露死苦。

2005 11 26 [funny face] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

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