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祝・復刊!『ジャズで踊って』

●増補決定版 ジャズで踊って 舶来音楽芸能史
瀬川昌久著/清流出版/2005年10月刊
ISBN4-86029-139-5
装丁:西山孝司
ひゃっほ〜い!
個人的には、近年最大のニューズであります。あの『ジャズで踊って』がついに復刊されました。しかもしかも、書き下ろしが加わった「増補決定版」での刊行。
1983年に出版されたこの本の存在を、私が知ったのは94〜95年ごろだったかな。もうサダカではありませんが、戦前のジャズやタップダンスのことを調べていくと、どの文章にも必ずといっていいほどこの本を参考文献に挙げているんですね。じゃあオリジナルを読まねばなるまい、と思ってあちこち探し続けていたんだけれども、これがどうにも見つからない。
もとの版元(サイマル出版会)もとっくになくなっていたし、ネット通販が盛んになってからはインターネット古書店もこまめにチェックを入れていたんですが、ここもダメ。
で、先日、復刊ドットコムからメールが来て、めでたく復刊の運びになったことを知った時は飛び上がるくらい嬉しかった。そういえば、私が復刊ドットコムに投票したなかでは、実際に復刊にまでこぎつけた本はこれが第一号だわ。
ちょっと話はずれるけど、最近は復刻がちょっとしたブームなんでしょうか。伝統音楽関係では茂木健さんの『バラッドの世界/ブリティッシュ・トラッドの系譜』(春秋社)も新稿を加えてほぼ10年ぶりに刊行されたのは記憶に新しいし(ISBN4-393-93946-6)、また、竹熊健太郎さんによれば、マンガ方面でも復刊が盛んなんだそう(竹熊さんの守備範囲外でしょうけど、バレエマンガの有吉京子さんを全面的にフィーチャーした季刊『SWAN MAGIZINE』(平凡社)なんてのも出てますね)。新刊の洪水の陰で毎日膨大な本が絶版化している中、こうやって再び日の目を見る本が出てくるのはとても意義のあることじゃないかと思います。ていうか、なにも狂ったように新刊書ばかりださなくても、古い本を発掘してその価値を今の読者に再び問うような動きは、もっともっと活発になっていいんじゃないかと。
『ジャズで踊って』に話を戻しますが、実はまだ買ったばかりで中身を一ページも読んでおりません(爆)。今からじっくり味わうところなんですが、オビに付けられた小林信彦さんの推薦文をここに引用させていただきます。
『舶来音楽芸能史 ジャズで踊って』は
ジャズの発生から日本への渡来、
そして太平洋戦争が始まるまでの
日本でのジャズ、タップダンスの変遷を
豊富な資料で描いた、名著である。
—————小林信彦
さ、読書のBGMは川畑文子がいいかな、それともあきれたぼういずにしようかな。
あぁシアワセ。
2005 11 03 [booklearning] | permalink
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