« 最近買ったアイルランドの写真集(1) | 最新記事 | いる? »

最近買ったアイルランドの写真集(2)

  
 前回の続きです。
 
 余談だが、フリードマンの写真集のことは神戸に住む友人が教えてくれた。地元のジュンク堂に山積みだよ、ということなので、京都店に行ってみたけれど影も形もない。あれれ、というので大阪に出たついでに堂島の本店に行ってみたが、そこにもなかった。しょうがないので、友人に頼んで買ってきてもらったのだ。チェーン店とはいえ、やはり洋書ってどこでも手に入るというものではないのねえ(それにつけても京都のショボさよ)。
 
 で、フリードマン本のかわりに、大阪で手に入れたのが下の写真集であります。
 

Magnum_Ireland

 
●Magnum Ireland
 Thames & Hudson/2005年10月刊
 ISBN0-500-54303-8

 タイトルから推察できる通り、有名な写真家集団〈マグナム〉がアイルランドを撮った写真を集めたものだ。1950年代から2000年代まで、年代順に編集されている。70〜80年代にIRAがらみの緊迫した写真が多いのは、さすが報道写真に強いマグナムの面目躍如といったところか。
 
 マグナムについてはあらためて説明するまでもないと思うが、念のため公式サイトをリンクしておく。
 
マグナム公式サイト[magnumphotos.com](英語)
 
マグナム・フォト東京支社[magnumphotos.co.jp](日本語)
 
 写真集に掲載の236点の写真のうち224点は、実はマグナムのウェブサイトでも観ることができる。ただし、ウェブの方は商用リースフォト・カタログなので作家名順の配列だし、当然ながら画像も小さい(書籍版は年代順編集で、アイルランドの作家たちによるエッセイも付いている)。ちなみに、URLはこちら。
http://www.magnumphotos.com/c/htm/FramerT_MAG.aspx?Stat=Books_DocThumb&V=CDocT&E=29YL534E31OM&DT=ALB
 
 マグナムの創立メンバーの一人であるアンリ・カルティエ=ブレッソン Henri Cartier-Bresson や、ユーモラスな構図でファンの多いエリオット・アーウィット Elliott Erwitt をはじめ、収録されている写真家は34名にも及ぶ。
 さすがに音楽やダンスを撮った写真は多くはないが、その中でもエリオット・アーウィットが撮った、1962年のコークでのダンス・コンペティション(かな?)のショット(本書p.55)なんか、いい感じだなあ。
 
 ところで、マグナムの日本人写真家といえば久保田博二さんがおられるが、この写真集にも2枚入っているのは嬉しい。1972年のアラン島を撮っている(pp.126-127)。久保田さんは主にアジアをテーマにした作品で有名だが(略歴[magnumphotos.co.jp])、この作品は写真家としてのキャリアのスタート時期に撮影されたもので、ある意味貴重な写真と言えるかも知れない。
 
 なお、この写真集の出版にあわせて、同題の写真展がこの春ダブリンの現代美術館(IMMA)[modernart.ie]で開催されるとのこと(2006年4月19日〜6月18日)。私もできればオリジナル・プリントを見てみたいが、うーん、さすがにこれは日本には来ないか。この時期ダブリンを訪れる方は、ぜひ楽しんできてください。
 
IRELAND22-85 イギリス連邦から離脱(1949年)し、現在の「この国のかたち」が成った1950年代から、90年代の「ケルティック・タイガー」そして2000年代に至るまで、この半世紀の激動のアイルランドがこの一冊から立ち昇ってくる。とはいえ、アイルランド現代史の知識をなにひとつ持たない状態では、マグナムの写真家たちが捉えたショットを読み解くにはあまりに心もとないのも確かではある。なにかいい参考図書がないかなと本棚をごそごそ探していて、むかし買っていた本のことを思い出した。写真集のサブテキストには、ひょっとしてぴったりかもしれない。この機会に、もう一度きちんと読んでみようかな。
●アイルランド ——社会と文化 1922〜1985年
 テレンス・ブラウン著・大島豊訳/国文社/2000年5月初版
 ISBN4-7720-0473-4
 装幀/松下正己
 

2006 02 14 [wayfaring stranger] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

「wayfaring stranger」カテゴリの記事

comments

 これはまた、小生の旧訳をとりあげていただき、ありがとうございます。
 1985年時点までなんで、今となっては少々古いと見えるかも知れませんが、この時期の「気分」も含めた「思想」のとらえ方に関しては、まだ有効だろうと思います。
 ただ、文学がメインなので、音楽やダンス関連は薄いです。演劇は少しあります。

posted: (2006/02/15 18:24:06)

 コメントありがとうございます。

 そうそう、国文社のサイトをリンクしておくのを忘れてました。
http://www.kokubunsha.co.jp/archives/ISBN4-7720-0473-4.html

 とりあえず目次から興味のある箇所だけ少しずつ拾い読みしてますが、やはり面白いです。
 もっとも、マグナムの写真集を買うまではこういう「興味」も起こらなかったわけで、自分はやっぱり見事に視覚的なヒトだなあと思った次第であります。
 

posted: とんがりやま (2006/02/16 12:08:58)

 

copyright ©とんがりやま:since 2003