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ジーン・バトラー・ワークショップの記事がCroiséに掲載!

 

croise22

 
●Croisé(クロワゼ)22号
 新書館/2006年3月刊
 
 この雑誌は、ジャンルとしてはダンスレッスン専門の季刊誌…なのかな。私は初めて手に取る雑誌なんですが、バックナンバーの目次などを眺めていても、バレエが話題の中心のようです。それだけバレエ人口は大勢いるってことなんでしょうねえ。
 
 で、この雑誌の今発売中の号に、昨年(2005年)12月11日と18日に東京で行われたJean Butlerのワークショップのレポートが掲載されてます。
 ジーン・バトラーといえば、このブログでも書いたように昨年は宝塚歌劇の作品に振付をしていたんですが、12月にも〈Celtic Christmas〉ライブに出演するため来日していたんですね。そのとき、日本でアイリッシュ・ダンスを学ぶひとたちのためのワークショップをされていた…という次第。
 私はそのワークショップには参加していなかったんですが、こうして雑誌でレポートが読めるというのはありがたい。
 
 見開き2ページだけですが、わかりやすい記事で写真もたくさん載っているのがいいですね。ところで、左ページ一番下の写真は、これもレッスンの一コマ…なのかな?
 
 ちなみに、ジーン・バトラーのワークショップはこれが2度目となります。2004年の秋におこなわれた最初のワークショップのレポートはこちら[riverdance.org]でどうぞ。
 
 * * *
 
 ついで…と言ってはアレですが、昨年12月の〈Celtic Christmas〉を観たときの私の感想文も再録しておきます。メール・マガジン【クラン・コラ(ブログはこちら[livedoor.jp])】2005年12月号に寄稿した文章です。
 
スロー・ワルツをもういちど
 
 12月10日、すみだトリニティホールでの『ケルティック・クリスマス』を観てきました。ソーラス+ジーン・バトラーの組み合わせはぜひともこの目で見ておきたかったんですが、京都在住のクセに関西での公演はどれも都合で行くことができないため、東京まで出かけていった次第。
 
 10日の公演はマイケル・マクゴールドリック、ハウゴー&ホイロップも出演するお得バージョンなので(どれも見応えがあり、特にマイケルの演奏には唸った)、お目当てのジーン・バトラーがどれくらい登場するのかいささか不安でもありましたが、約1時間少しのソーラスのステージで3曲、全員総登場のアンコールで1曲の、つごう4曲も観られました。ちなみに先日、15日の大阪バナナホール公演のセットリストを見せてもらう機会があったんですが(たぶんシェイマス・イーガン手書きのメモ)、2時間ほどの大阪公演でも3曲+1曲だったようで、ジーンの出演分はおそらく同じ内容だったんでしょう。
 
 個人的な話で恐縮ですが、実はわたくしジーン・バトラーをナマで観るのは生まれて初めて。というか、今回のケルティック・クリスマスの出演メンバーはどれも初めて観る人ばかり(ハウゴー&ホイロップに至っては聴くのもお初でした)なんで、とても新鮮だったんですが、なかでもジーン・バトラーが想像以上に背の高い人だったのにびっくりしました。そういえば『リヴァーダンス』や『ダンシング・オン・デンジャラス・グラウンド』のビデオでも、男性リード・ダンサーのコリン・ダンより大きかったっけ。いやぁ、それにしても顔が小さいっ! さすがにダンサーらしく、太ももなんかはしっかり逞しいですが、スタイルがいいっ!
 
 で、そのコンサート、ジーンのダンスはソフトシューズがなかったのが少々物足りなかったかな。大半はハードシューズでリールを流す感じで、きちんと「作品」として踊る、といった感じではなさそう。その中でただひとつ、ソーラスのニューアルバム《WAITING FOR AN ECHO》(プランクトン/VIVO-309)7曲目に収録されている〈Doireann's Walts〉だけは、ジーンならではのオリジナリティに溢れた、たいへん意欲的なナンバーだったと思います。
 
 この曲は題名にもWaltsとある通り、4分の3拍子のゆったりと哀愁ただよう曲ですが、ダンスのリズムとしてのワルツとは少し違い、どちらかというと(普通のポップスで言う)スロー・バラードに、感覚的には近いでしょうか。ジーン・バトラーはそんなナンバーにあわせて、ここでもハード・シューズで踊ったのが強く印象に残りました。
 
 伝統的なアイリッシュ・ダンスの枠の中では、こういう試みはあまり、というかほとんどなされないでしょう。けれど、昨年(注:2004年)秋に日本版DVDも発売されたダンス・ショウ『ダンシング・オン〜』(ワーナー/WPBR-90397)や、今年出た彼女のレッスン・ビデオ『ジーン・バトラーのアイリッシュ・ダンス・エクササイズ』(コロムビア/COBM-80031)を観ていると、こういう実験も彼女にとってはごく自然のことと思えます。さらに言えば、どこまで新しい実験に挑もうとも、彼女のダンスはやはり「アイリッシュ・ダンス」なんですね。音楽方面では、伝統的なアイリッシュ・ミュージックの概念を大きく拡張させる試みが、これまでたくさんなされてきましたが(マイケル・マクゴールドリックもソラスもその潮流の中にいます)、ジーン・バトラーもまた、ダンスの世界で同じことに挑んでいる一人であることがよく理解できたコンサートでした(そういえば、前述『ダンシング・オン〜』の音楽は全編ソーラスが担当していたんでした)。それにしても、あのワルツはもう一度観たいっ!

2006 03 11 [dance around] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

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