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またまたミュシャ展
●アルフォンス・ミュシャ 〜憧れのパリと祖国モラヴィア〜
京都展 2006年9月1日(金)〜10月1日(日) 美術館『えき』KYOTO
東京展 2007年1月2日(火)〜1月23日(火) 日本橋高島屋
福岡展 2007年4月21日(土)〜5月29日(火) 福岡アジア美術館
釧路展 2007年6月9日(土)〜8月26日(日) 北海道立釧路芸術館
タイトルに「またまた」と書いたけど、そう感じるのは私だけかもしれない。なにせ前回の、ミュシャ財団所蔵の大がかりなミュシャ展は2004年11月に高松を皮切りにスタートしたのだけれども、大阪・天保山のサントリーミュージアム展は2006年1月29日が最終日。私が見に行ったのは2006年の正月だから、それからわずか8ヵ月後にミュシャに再会していることになる。会場は異なるにせよ前回と重なっているのは東京だけだが、それでも2年ぶりだもんなぁ。…まぁ、どうでもいい話ではありますが。
今回のミュシャ展はチェコ国立モラヴィア・ギャラリーと、同じく国立のプラハ工芸美術館の所蔵作品を展示したもの。前回展(財団展)がミュシャの生涯をわりと丁寧に追った構成になっていたのに対し、こちらはもう少しコンパクトに、要点を絞った感じだ。
4部構成になっている。I「ミュシャと女性&自然」II「ミュシャとベル・エポック」III「ミュシャと装飾デザイン」IV「ミュシャと祖国モラヴィア」で、前半のふたつはミュシャ展の常連というか、サラ・ベルナールやタバコの巻紙JOBの広告ポスターを含む有名どころがずらっと並ぶ。「装飾デザイン」のパートではかの有名な「装飾資料集」を中心に展示しているのだが、財団展では下絵や習作が多かったのに対し、こちらは完成品が中心で、両方の展覧会図録を並べて見比べると面白い。
私がいちばん興味深く観たのは第IV部。祖国に帰ってからの作品が多く観られた。今度の展覧会は各パートの分量がほぼ均等なので、逆に言うと前半のパリ時代の作品が少なめと感じる人もいるかもしれない。
財団展でも祖国の国民的画家になってからのことは詳しく解説していたんだけれども、ボリューム的に少々物足りなかったのも事実。今回は細かな説明はほとんどないが(アメリカ時代の作品も数点のみ)、そのぶん実作を数多く観られたのは嬉しかった。
というわけで、ふたつのミュシャ展は必ずしもかぶるものでもなく(かぶっている部分もあるけれど)、互いに補完しあう展覧会、と位置づけできるだろう。前に観たからもういいやという人には、お暇があればぜひどうぞと言いたい。
今回の巡回展のスタートが京都なのは、プラハと姉妹都市を結んだ縁によるものだそうだが、そのわりに市の施設を使わなかったのはなんだかなあ、という気もする。
というのも、会場の出口、図録売り場にひっそりと貼り紙があったのを見つけてしまったからだ。曰く、「展示会場の都合で、図録の掲載図版のうち以下の作品は京都展に出品されておりません」だと。驚くなかれ、その数、実に30点を超えるのだ。
ちょっとぽかーんとしてしまいましたね、あたしゃ。期間中に展示入れ替えもなさそうで、なんだかうんと損した気分だ。道理でなかなかタイトな展示というか、壁面がぎっしりと詰まっていたはずだ。
会場が狭いんなら、他にどこかなかったんでしょうかねえ。確かに『えき』は狭いのだ。おなじ百貨店系なら京都大丸や高島屋の方がスペースに余裕もあったろうに。どーもいまいちツメが甘いというか小馬鹿にされてるというか、なんだか釈然としないまま、会場をあとにしたのでありました。
2006 09 12 [design conscious] | permalink Tweet
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