« St. Patricks Day in TOKYO 2007 | 最新記事 | Ashes and snow »
Museum Around A Go Go !
先日の東京行き、セント・パトリックス・ディのイベント目当てでもあったんですが、もうひとつは行きたい美術展がいろいろあって、じゃあまとめて回ってしまおうかと。ホントはもう少し観たいものもあったんですが、時間的な都合で三カ所だけになってしまいました。いや、それでもかなりおなかいっぱいになりましたが。
●モード・オブ・ザ・ウォー 東京大学大学院情報学環所蔵 第一次大戦期プロパガンダ・ポスター コレクションより
2007年01月20日〜03月25日 印刷博物館 本展示場
図録デザイン:トッパンアイデアセンター/神尾ゆき
以前、このブログのコメント欄で教えていただいた展覧会(参考:戦争とデザイン、「戦争とデザイン」ふたたび(1)、(2))。会場は凸版印刷の小石川ビルに併設されている印刷博物館で、いやあ、印刷会社ってずいぶん儲かってるのねー、というくらい立派な施設。
印刷の歴史を展示する常設展示もとても興味深いもので、活字や印刷術に関心のある向きは一度は足を運んで損はないでしょう。『モード・オブ・ザ・ウォー』展はその常設展のあいだにはさまる感じで展示されてました。
本展の母体は東大大学院情報学環所蔵の戦争ポスターコレクションで、コレクションの整理・分析を凸版印刷と共同でおこなった縁から、ここで展覧会を開くことになったようです。
ウェブやカタログ・レゾネで予習していたとはいえ、やはり現物はまったく違います。思えばこれらのポスター、掲示されていた場所もそれぞれ違ったことでしょうし、眺めているうちにいろいろと想像力をかき立てられます。
画家や漫画家の描いたポスター、というコーナーがあって、かの『LITTLE NIMO』の作者ウインザー・マッケイの作品もあったんですが、その展示のそばで彼のつくったアニメーションが小さなモニタで上映されていて、思わぬサプライズ。これはなかなか貴重なものを見せて貰いました。
印刷博物館らしくポスターの印刷技術についての解説も充実していて、たいへんためになりました。帰り際にはミュージアムショップで、2003年に開催されていたバンド・デシネ(フレンチ・コミック)展の図録も手に入れることができて、大満足。
●日本美術が笑う 縄文から20世紀初頭まで
2007年01月27日〜05月06日 森美術館
図録デザイン:垣本正哉・笠毛和人(美術出版デザインセンター)
六本木ヒルズの森美術館で開催中の『笑い展』はふたつに分かれていて、ひとつが日本の古美術を中心とした同展、もうひとつが世界の現代美術で構成された『現代アートにみる「おかしみ」の事情』。同じフロアなので両方観てきましたが、現代アートの方は量が多すぎたこともあって少々くたびれました。わたしはやっぱり古美術の方がいいなー。
若冲・蕭白や円空・木喰といったイマドキの人気どころをぬかりなく押さえているあたりが、なんつーかトーキョーですなあ。しかし「日本美術における笑い」というテーマはいいんですけど、風呂敷を拡げすぎた印象もなきにしもあらず(たとえば岸田劉生は浮いていた)。個人的には禅画方面をもう少し観たかった気もします。たとえば<寒山拾得もの>だけを集めても相当な数になると思うんですけど、それじゃあここでやる展覧会としては地味になるのかな。ま、そういうのは国立博物館とかでやってくれればいいです。
とはいえ珍しいものも数多くあって、なかでも長いあいだ公開されなかったという「病草紙」の断片(侏儒の図)にはしげしげと見入ってしまいました。他にも江戸時代のヘタウマ大作(長谷川巴龍「洛中洛外図屏風」17世紀/素人絵というか金持ちの道楽だったんでしょうか)やマンガ的表現に満ち満ちた絵巻(河鍋暁斎「放屁合戦絵巻」1867年)など珍品も多く、なかなか楽しめました。
同美術館の別フロアで開かれていた『グレゴリー・コルベール』展は時間切れアウト。ま、この人のは翌日にお台場の『ashes and snow』に行くからいいかぁ。
…ということで、続きは次エントリにて。
2007 03 22 [design conscious] | permalink Tweet
「design conscious」カテゴリの記事
- 中川学さんのトークイベント(2018.07.16)
- 大塚国際美術館へ(2017.07.17)
- 『デンマーク・デザイン』展(2018.05.06)
- 薄井憲二さんのバレエ・コレクション!(2018.04.08)
- ブランドとしての<ブリューゲル>(2018.04.01)