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気が早い
十二月二十六日になってもまだ「メリー・クリスマスゥ〜♪」なんて浮かれていると、世間から白い目で見られるような気がするのであります。だもんで、わたしもそそくさとエントリを更新しちゃうのであります。それにしては少しばかり気が早い画像のような気がしないでもないんですけど。
上の写真は、たまたま通りがかった滋賀県下のとある神社のスナップなんですが、これを撮ったのはまだ十二月の半ば。「初詣」ののぼりって、わたしが子供のころだともっと暮れが押し迫ったころにようやく立てられていたような記憶があるんだけど、どうだったかな。この手ののぼりなんて大晦日に立ててもじゅうぶん間に合うでしょうに。
クリスマスにしろ初詣にしろ、なにもそんなに早くから準備しなくても、なんて思うんですが、こういうのを「鉄は熱いうちに打て」と言うんでしょうか。…なんだかことわざの使い方が微妙に間違ってる気もしますが。
とかく師走は忙しいということになってますが、この気ぜわしさの何割かは、自分たちで勝手に加速させているだけなんじゃないかって気がするんですね。加速の相乗効果とでも言うのか、みんなが一斉に走っているものだから釣られてこっちも走らなきゃ、みたいな気分。それで全体のスピードがますます上がっていくという。
それにしても——これは何もクリスマスに限らないけど、最近の季節ものイベントって当日までがやたらに長い。というか、年々長くなってきている(つまり告知スタートがやたらに早い)ような気がするんですね。あれ、なんでだろうな。
ま、どんなことでも準備は入念にしておいた方がいいんでしょうが、本業方面で現在かかわっている某クライアントさんちでは、来年の夏・秋を通り越してすでに冬向けの企画が進行中です。ひと昔まえだとだいたい半年くらいの先行だったのがどんどん前倒しになっていって、いまはとうとう一年先行。かつては季節感が喪失してましたが(要するに夏まっさかりの時期に冬もの企画をやっていた)、こうなると季節感どころかいったい今が西暦何年だかすらわからなくなってくると言う状態です。気が早いにもほどがある。
そういえば来年のカレンダーや手帳なんかも九月か十月頃にはもう店頭に並んでるけど、ああいうのを作ってる人も年が明けたらすぐに翌年の企画を始めてるんでしょうね。もう鬼が笑うどころの話じゃありませんね。笑いっぱなしでお腹が痛くならないか心配です。
売る方の都合がどうだかは知りませんが、いち消費者としては、毎年この手の商品を買うタイミングがよくわかりません。十月じゃあ「いくらなんでもまだ早いんじゃないの」などと思うんですけど、そうこうしているうちにオシャレなデザインのモノはいつの間にか売り切れていて、いざ自分が買いに行こうとすると欲しいものがほとんどない、なんてこともあります。ま、とにかく安く買いたいなら年明けとか年度末まで待つのが賢明なんでしょうけど。
話がどんどんずれていきますが、わからないといえば年末の恒例行事に「流行語大賞」や「今年の漢字」がありますよね。実はアレもよくわかりません。流行語にしろ漢字にしろ、発表されるやどこのニュース番組でも必ず取り上げるけど、そこまで価値のある話題なんでしょうかしらん。たとえば、昨年や一昨年の漢字が何だったのか、覚えている人ってどのくらいいるんでしょ。報道しているキャスター自身がまず絶対覚えてなさそうだし。ていうか、そもそもあんなもの覚えてどうなのって話で。
ああいうのは「十大ニュース」などと同じで、今年一年をまるっとまとめてしまって、すべてもう済んだことにしてしまいたいって心情のあらわれなんでしょうかね。一年間溜まりまくったごちゃごちゃしたドキュメントを、できるだけ強力に圧縮してディスクのすみっこにアーカイヴ保存しておけ、みたいな。仮に「十大ニュース」や「ヒット商品番付」や「流行語大賞」がzip圧縮とするなら、さしずめ「漢字一文字」はその圧縮ファイルのアイコンみたいなものか。って、よくわからん例えですが、要はふだんからあまりに種々雑多な情報に晒されているからこそ、わずか漢字一文字に圧縮させてまですっきりとさせたいんでしょうか。「気が早い」というのとはちょっと違いますが、これもまた「いくらなんでもそこまで」感がそこはかとなく漂っています。
* * *
まあ、人類が急ぐと急がないとにかかわらず、一日二十四時間時間の長さっていうのは昔も今も変わらないわけで。…あ、逆か、一日がたった二十四時間しかなくって、どんだけがんばってもそれ以上は増えないからこそ、そのぶん急がざるをえないってことか。
ともあれ、古い交通安全標語ですが「狭いニッポン そんなに急いで 何処へ行く」てなフレーズを、ふと思い出してしまう年の瀬であります。
2007 12 25 [living in tradition] | permalink Tweet
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