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日本初の減速対策なんだって
去る6月1日、阪神高速・8号京都線の「稲荷山トンネル」が開通しました。伏見区深草から山科区西野山間をむすぶ、3km弱の高速道路です。左図、阪神高速のサイトに掲載されている地図をお借りしてますが、今のところはどこともつながっていなくってトンネルだけがポツンとある状態。これだけで計画から完成まで20年かかってるんですよねえ。はたしていつの日か本当に全線開通するんでしょうか。というか、このトンネルだけを通る価値ってどれだけあるのかわかりません。通行料金普通車450円では誰でも二の足を踏んでしまいますよねえ。

供用開始は6月1日午後5時からですが、その日の朝から「トンネルウォーク」なるイベントがあったので、そちらに参加してきました。地元紙によればなんでも約9000人が集まったそうで、晴天にも恵まれたので大盛況でした。

逃げまどう人々…ではありません。
この稲荷山トンネルの山科側出口は、料金所を出るとすぐに信号付きの交差点にぶち当たります。なので、トンネル内で軽快にスピードを出してるクルマを、出口付近で安全に減速させる必要があります。そのためトンネル壁面に、あるユニークな試みがなされているんだそうです。


ご覧のように、壁面にはずっと白い二本線が引いてあります。そのラインが出口に近づくにつれ、徐々に変化していくんですね。
以下、その全貌を一気にお見せします。


















実はこのトンネルウォーク、わたしはこちらの山科側から入場したんです。つまり出口の方から入っていったので、「なんだかトンネルの壁面にしては派手だなあ」と思っていたんですね。単に竹っぽい模様を描いてあるだけなんじゃないかと。京都だし和風デザインかあ、でもやりすぎなんじゃないの、どうせトンネルの壁面なんて誰も見てないでしょ、なんて思ってました。で、深草側までずんずん行って、Uターンして戻ってきた時にようやくこの仕掛けに気づいた次第。
当初はうっかり見落としていたんですが、現場にちゃんと説明パネルがありました。それによると、これは「人の目の錯覚を利用した安全対策の一つ」なんだそうです。「ドライバーの目には周囲の景色が通常より速く移動して見えるため、自然に減速を促す効果が期待できます」なるほど。「一般道路に直結する山科出口では十分にスピードを落とす必要があるため、トンネル坑口の減速対策として日本で初めて導入されました」へえ〜。
さて、このデザイン、実際の効果のほどはどうなんでしょうね。聞くところでは、供用開始直後にさっそく事故があったとかいう話ですが(汗)。
2008 06 03 [design conscious] | permalink
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