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最新映像体験

 

Eizo

 映画をふたつ、はしごしてきました。
 
 わたしはふだん映画をほとんど見なくて、ちゃんと映画館に足を運んで封切を観たのは…えーと、たしか黒田硫黄原作のアニメーション『茄子 アンダルシアの夏』以来だったっけな、これ、今調べたら2003年の作品だそうで、いやはや。
 
 で、今回観てきたのは上の写真のとおり。ひとつは学術的なもの、ひとつは娯楽超大作と、まるで正反対ですけど、どちらも現在の家庭用テレビでは得られない、新しい映像体験ができる作品です。
 
 『HAYABUSA〜Back To The Earth』の方は「全天周映像」と銘打たれていて、プラネタリウム施設など特殊な会場でなければ上映できない映画。2010年6月に帰還予定の小惑星探査機「はやぶさ」を描いたドキュメンタリーで、わたしが観に行った大阪市立科学館では「観客動員3万人突破!」とポスターに大きく書かれていました。好評につき、当初3月末までを予定していた上映期間も2ヵ月延長されているそうです。
 「はやぶさ」に関してはネット上に数多くの情報、関係者のブログやツイッター、多くの「はやぶさファン」の手によるMAD動画やまとめサイトが充実していますので、くわしくはそちらをどうぞ。というか、わたしもそれらを通じて知ったクチなので、自分から語れることはなにもありません。
 『アバター』も、すでに多くの感想なり論評がネット上にあふれていることでしょう。わたしは監督が『タイタニック』のひとであることと、3D映画であること以外は何も知らずに観にいきましたが、事前の知識がなにもなくてもすごくわかりやすく作られていたのはさすがハリウッド。まあ、昔の西部劇映画によくある「白人vsインディアン」の構図をそっくりそのまま、ただ最後に勝つのが違うだけ、というストーリィなんで、わかりにくいところを探す方が難しいかもしれませんが。むしろ『HAYABUSA』の方が、ネットなり本なりで「はやぶさ計画」のアウトラインを事前に知っておく方が、まったく知識なく観に行くよりかはいいんじゃないかな。
 
 3D映画は、専用のメガネが必要なので、ちょっと不便ですね。本編が始まる前にディズニーの『トイ・ストーリー』ほかいくつかの3D映画の予告編をやっていましたが、それらと比べると『アバター』の3Dはより大人しいというか、より自然な感じなので、それほど「映像酔い」することもありませんでした。むしろ音の方にびっくりして、なんか後ろの方の席がやかましいなあ、子供が騒いでるのかなあと思ってたらそれが映画の音声だったというのが2、3度あって、ま、いかにわたしが「サラウンド」に疎いかって話なんですけど。
 『アバター』はIMAXシアターで観るべき映画なんだそうですが、わたしが観たのはふつうの映画館。なのでその点は考慮にいれるべきなんでしょうけど、「映像酔い」という点では『HAYABUSA』のほうがキました。大阪市立科学館の上映会場は、通常はプラネタリウムをやってるシアターですから、半球型の天井、つまり眼に入る360°がぜんぶスクリーン。なので、まるで宇宙空間にぽんと放り出されたような気分が存分に味わえます。映画がはじまって最初の数分はほんとに酔いそうになりました。『HAYABUSA』の方はとくに3Dなんて謳ってないにもかかわらず、無遠限の空間の拡がりを、「実感」と言っていいくらいに感じさせます。ふたつの映画とも、宇宙空間から地球を眺めたシーンがありますが、その美しさという点では『HAYABUSA』の圧勝かなあ。
 
 『HAYABUSA』は科学映画なので(制作者サイドでは「映像」と言っていて「映画」とは言ってないようですが)、勧善懲悪も男女のロマンスもそこにはありませんが、演出上の効果という名の「ウソ」もやっぱりあります(画面のはるか遠くにうかぶ地球が、自ら青く輝くところ。太陽じゃないんだからそんなに光らないでしょ)。全編精巧なCGですが人間や動植物などの有機体が一切でてこないので、逆にあまり「CG臭」を気にすることもない。対する『アバター』は人間の演技も大量に出てくる「ドラマ」ですが、「最新のテクノロジーをふんだんに駆使した」映像のおかげで、生身の人間までもがどこか「つくりもの」めいて見えてくるようにも感じました(そういえば、あの星は地球とは大気の組成がずいぶん異なっているようだけど、地球上と同じような盛大な火の燃えかたはアリなんですかね。などなど、いろいろ考えるとおや? と思うところもなくはないですが…まあもともと「架空の星」が舞台なので、どんな物理法則が支配していようとケチをつける筋合いはないんでしょうけど)。
 
 まるで正反対と言っていい種類の映画をはしごしましたが、どっちもそれなりに楽しめたし、「映像体験」という意味ではどちらもふだんなかなか得られない経験だったので、面白い一日でした。『HAYABUSA』は45分間で600円、『アバター』は2時間42分で1800円+メガネレンタル300円の計2100円。時間で割ると、ほぼ同額になるのが興味深いですね。ジャンルにかかわらず「映像」の価格ってだいたい同じなんでしょうか。
 でも、もう一度観たい! あるいは家庭用DVDが出たら買いたい! と思ったのは…『HAYABUSA』の方かなあ。
 

2010 01 24 [design conscious] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

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