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さよならタラ丘
知人からのメールやツイッターなどで聞いていたものの、にわかには信じたくない話ではありました。京都のアイリッシュ・パブ《The Hill of Tara》が2010年6月10日、突然閉店してしまったのです。
わたしが実際に店の前まで行けたのは、閉店一週間後の夜。いつもならがやがやと賑わっているはずの店内は真っ暗で、ドアには二種類の貼り紙が貼られていました。一枚は6月10日に閉店したというお知らせ、もう一枚は15日付の、管財人による法的整理のお知らせ。ああ。
The Hill of Taraのオープンは2000年12月2日、土曜日。どうして細かな日付まで覚えているかというと、当時仲間内で交わしていたメールが残っていたからなんですが、開店当日からさっそくみんなで押しかけ、騒いでいたことを思い出します。
2000年といえば世間が「ミレニアム」で浮かれていたとき。その年の大晦日は、すぐ近所にある京都市役所前の広場でもカウントダウンイベントをやってましたが、こちらも負けじと年越しケーリーやりま〜す、というのでいそいそと出かけ、以後毎年、大晦日にはここで音楽とダンスで一騒ぎしてから初詣、というのが習慣になってしまいました。思えばこのゼロ年代、いちども欠かすことなく参加していたなあ。今年の大晦日はいったいどうすればいいんだ。
店内は落ち着いた内装の本格的な造りで、もう何十年も前からそこにあったかのような風格を、最初から漂わせていました。基本的にランチはやってなかったはず(一時期試みてたっけ?)ですが、なんどか昼間の店内に入る機会がありまして、明るい日差しのなかで見る室内の雰囲気が夜とは全然違っていたのがとても印象に残っています。
年末の年越しイベントのことはさておき、もっと気になるのは、これも毎年行われてきたアイルランド・フェスティバル。3月のセント・パトリックス・ディにちなんだパレードやライブが盛りだくさんのイベントで、初期のころ数年間はわたしも微力ながらお手伝いさせていただいていたんですが、これ、来年以降はどうなってしまうんだろう。
* * *
10周年まであと半年、まさに目前でした。オーナーのHさんご一家をはじめ関係者の方々もさぞかし無念だったことでしょう。あまりに急な閉店だったので、わたしにとっては昨年の大晦日が最後となってしまったのもただただ残念。わたしの仲間内では開店直後からHill of Tara→タラの丘→「タラ丘」と略称して、なにかといえば集まって騒いでおりましたが、そんな10年間の思い出が詰まった場所があっさり消えてしまって、呆然としております。
京都にアイリッシュ・パブがここ一軒しかなかったわけでもないし(ちなみに京都初はField)、新しい店が生まれては消えてゆくのも世の習い…とはわかっているんですが、やはり、せめてきちんとお別れをしたかった。
いつの日か復活されんことを!
【2010年8月3日追記】
この場所は、8月から別のオーナーによるアイリッシュ・パブとして再開しています。店名は“DUBLIN”。内装等はほぼそのままのようですが、気軽なライブやセッションが楽しめる雰囲気なのかどうか、近々行ってみたいと思います。
2010 06 20 [living in tradition] | permalink
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