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北欧の音楽ピクニック!
●<白夜>北欧の音楽ピクニック
WHITE NIGHT 〜Nordic Music Picnic
2010年6月20日・11時〜16時30分/万博公園自然文化園
折しも梅雨のまっただ中。週間天気予報はずっと傘マークだったんですが、前日になって曇りの予報に変わりました。果たして当日、お昼前後にポツポツ来たけどなんとか持ちこたえ、無事フィナーレまでこぎ着けられたのでした。帰宅してから知ったんですが、所によっては昼頃かなり激しい雨が降っていたとのこと。いやはや、紙一重の差だったようですね。野外ライブだしあまりカンカン照りでもちょっと困ったことになってたかもしれないので、曇り空くらいがちょうど良かったのかも。まあ、あまりの湿度の高さにはミュージシャン諸氏が対応に苦労していたようですが。
「ピクニック」というタイトルのついた音楽イベントにふさわしく、観客はレジャーシートなど敷きつつ三々五々、というか誰もがマイペースで音楽を楽しんでおりました。11時のスタート前からそこそこ人が集まってましたが、最終的には4〜500人ほどもいたでしょうか。広い公園なので正確なところはまったくわかりませんが。
三つに分けられたステージのうちのひとつ、「森のステージ」はこんな感じ。写真は上から織田優子さん+大森ヒデノリさん、fiss、山田晋吾さん+マキノリョータさん+山田舞子さん、シャナヒー。すこし小高い丘の斜面にマイクとモニタースピーカーをしつらえたナチュラルテイストたっぷりのステージで、前日までの雨をたっぷり含んだ緑の香りも濃厚な、なんとも優雅な一角でした。公園の開園時間とかあるので現実には無理ですが、もっとうんと早い時間だったらさらに気持ちよかっただろうなあ。夏の早朝って気持ちいいですもんね。
「森のステージ」のすぐとなり、「ラベンダーのステージ」。こちらも特に舞台はしつらえてません。地面が平らなので大所帯バンド向きってことなのかな。バックに広がるラベンダー畑からとてもいい匂いが漂ってきます。演奏会とは無関係にラベンダーを熱心に眺めている人も多く、そんな開放感が心地よいです。写真は上からドレクスキップ、soda fountains、大森ヒデノリさん+かとうかなこさん。「森のステージ」と「ラベンダーのステージ」は交互に演奏するので、そのたびに観客はぞろぞろと移動します。こういうラフなところもいいなあ。
午後3時からは「太陽のステージ」にてカロリーナ・カンテリネン Karoliina Kantelinen (from Finland)とヨーラン・モンソン Göran Månsson (from Sweden)のスペシャル・ライブ。こちらのステージはさきのふたつからはちょっとだけ離れていて、3月にオープンした『EXPO '70パビリオン』(参照)をはさんで西側の大きな広場に特設されたステージです。大きな木が屋根代わり。
時間になり、さてトップバッターはカロリーナさん…と思いきや、まず正装の雅楽のひとたちが(15人くらいいたっけ?)ステージ上に登場し、おもむろに演奏しはじめます。おおお?と思って聴いているとやがて舞台の外からカロリーナさんのヴォイスが。そのままゆっくりステージ上にのぼり、雅楽とヨイクのコラボという、世にも珍しいものを聴かせてもらいました。カロリーナさんのヨイクはラップランドのそれとは違う、カレリアン・ヨイクと呼ばれるもので、なんでも継承者が彼女を含め世界に2人だけという非常に貴重なものなんだそう。ラップランドのヨイクと比べて、かなり陽性のヨイクだなあという印象を持ちましたが、それはカレリアの地域性もあるのかもしれませんが、それ以上に彼女の人柄によるものではないかと感じました。カンテレ演奏をはじめプレイのはしばしが、とにかく明るい。
続いてフルート奏者のヨーランさん登場。このひとは非常に柔軟な思考の持ち主で、この世の音楽なんでもばっちこーい、みたいな底の深さを感じさせます(笛吹きってわりとそういうタイプが多いんじゃ、とかねがね思っていますが)。今回も尺八奏者の松本太郎さん、ドラマーの堀越彰さんと、立て続けにタイマン勝負。自分の個性をフルに表現しつつも、トラッドとコンテンポラリーをごく自然に融合させ、ジャンルをシームレスに渡り歩くフットワークの軽さが素晴らしい。写真は全長1.6メートルの特製「コントラバス・ブロックフルーテ」。堀越さんとの畳みかけるような重量級セッション・プレイは、間違いなくこの日のハイライトでした。
そしてフィナーレは今日の出演者全員の演奏によるロング・ダンス。メイポールの木のまわりを、観客みんなが手をつないで輪になって踊ります。見上げると太陽の塔がすぐそこに、ってのが絵になりますね。ともあれ、最後まで天気がもってくれて本当に良かった。みなさんお疲れさまでした。
この日の出演者全員に言えることなんですが、さあそろそろエンジンがかかってきたぞ、というところで持ち時間が終わってしまうのは、正直言って身体によろしくない。みなさんピンで2時間でも3時間でも演奏し続けられる実力者揃いなだけに、演る方も聴く方も欲求不満が残ったような。まあ、ある意味では非常に贅沢な一日だった、とも言えるわけですが。
北欧音楽ショーケースとしてそれなりにバラエティに富んでいたし(ポップス系がほとんどなく、伝統音楽系に寄りすぎではという気はしますが)、公園の木々を上手に生かしたステージセッティングもかなり洒落ていて気持ちよかったんですが、欲を言えば、梅雨の真っ最中ではなく他の季節で観てみたいなぁ。ハーモニーフィールズさん、次回はからっと爽やかな初秋のころとかいかがでしょう?
2010 06 21 [face the music] | permalink
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