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真夏のフィギュア・2011
LOTTE presents ザ・アイス 2011
愛知公演:2011年07月23日/24日 愛・地球博記念公園アイススケート場
東北チャリティー公演:07月27日 新井田インドアリンク
大阪公演:07月30日/31日 大阪市中央体育館
フィギュアスケートのショウを観に行くのはずいぶん久しぶりです。前回はいつだったかなと拙ブログを辿ってみたら、2006年に2回(過去記事はこちらとこちら)、翌07年末に1回(こちら)行ったきり。わあ、けっこう間が空いていたのね。なかでも夏場のアイス・ショウは今年で二度目なんですが、本来ウインター・スポーツの選手にとってシーズン・オフであるはずの夏場に、この手のショウが日本で頻繁に行われるようになったのっていつ頃からなんでしょう。ちゃんと調べりゃいいんでしょうけど面倒なので印象だけで書きますが、たぶん世紀の変わり目前後から、じゃないかな。
今回わたしが観に行った、お菓子メーカーのロッテが主催する『THE ICE』は今年で5回目。わたし自身ははじめての鑑賞だったんですが、想像以上にショウ・アップされていてびっくりしました。つか、フィギュアスケートっていう競技はプロアマの境界が限りなく低い、希有なジャンルなんじゃないでしょうか。それなりの選手になるためにはすごくカネがかかるスポーツであると同時に、熱狂的なファンも多く、かつショウビジネスとの親和性も高いからすごくカネが集まりやすいコンテンツでもあります。同じような「芸術点」を競うジャンルとして、たとえば新体操やシンクロナイズド・スイミングあたりではなかなかここまで集客・集金できませんよねえ(“プロ”として喰っていける人数も桁違いでしょうしね)。そう考えると、現在のフィギュアスケートというのは、“スポーツ”としてはかなり特殊なポジションに立っているのだとも思います。
ま、そんなことはともかくとして。
『THE ICE』の大阪公演は5年目にして初めて、ということで、これまでの歴史はなにも知らずに行ったのですが、いやはや、ここまでショウ・アップされていたとは。つっても前述のように、わたしはフィギュア・ショウを過去たった3回しか見てないのであまりエラソーなことを言うのは憚られるのですが、これまで観たのが「選手として」のいわば余技の範疇だったのに対し、このプログラムは完全に「ショウ」のために出演してる、という違いが明確でした。って、これ、要するに、プロのイヴェントじゃん。いやまあ、いち観客としては、面白けりゃどうでもいいんですけどね。
個人的な興味としては、どうしても一度はナマで観ておきたかったシニード&ジョン・カー姉弟(アイスダンス)をアリーナ席のごく間近で鑑賞できたのがなにより。同じアイス・ダンスでは、現在世界最高峰のメリル・デイビス&チャーリー・ホワイト組も出演してましたが、わたくし的にはカー姉弟の方が断然オシャレでいいわあ。いつぞやの大会でのエキシビジョンでスコティッシュ・ダンスを演じて以来のファンなんですが、今回も他の出演者とは一線を画した独自の世界を創っていて、ますます好きになりました。それともうひと組、ナマで観られて良かったのがペアのチン・パン&ジャン・トン組。個人的にペア種目はいままでどうしても好きになれなかったんですが、今回ので認識をあらためました。技術云々という以上に、お互いがお互いをしっかり信頼しているパフォーマンスにほれぼれしてしまいました。おふたりは先ごろ婚約したという話ですが、そんなエピソードを聞くまでもなく、両者の深い愛情と気品が伝わってくる演技でありました。
今回の『THE ICE』は東日本大震災の被災者のためのチャリティ公演という側面がありまして、たとえば浅田真央選手などのようにこのショウために振り付けた特別なプログラムが印象的だった方もいるのですが、わたしが特に感じ入ったのは、自身も仙台で練習中に被災したという羽生結弦選手。彼の演技には全編に深い祈りが込められていたように感じられ、ひしひしと胸に迫るものがありました。男子シングルでは小塚崇彦選手とともに、日本のフィギュア界の次代を担う選手でもあります。今後の一層の活躍を願ってやみません。
なお、この『THE ICE 2011』の模様は、BS日テレにて8月7日16時14時から放映されるとのこと。忘れずに録画セットしておかなくっちゃ(追記:放送観たけどカー姉弟はほんの一瞬しか映らず、残念…)。
2011 07 30 [dance around] | permalink
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