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[exhibition] 土偶・コスモス

 
Dogu
●土偶・コスモス
 2012年09月01日〜12月09日 MIHO MUSEUM
 【公式カタログ】
 土偶・コスモス Dogū, a Cosmos MIHO MUSEUM編
 2012年9月1日初版/羽鳥書店刊/ISBN978-4-904702-37-6
 アート・ディレクション:有山達也
 デザイン:中島美佳
 
 
 この展覧会を観るまでまったく知らなかったのだが、教科書に出てくるような有名な土偶は東日本と北日本から集中して出土しているのだそう。本展に出品されている品々も大半がそうで、西日本はごくわずかだ。かといって縄文土器や土偶がまったくないわけではなく、たとえば2010年5月には滋賀県東部でおよそ1万3000年前の土偶が発見されている。これは縄文時代草創期にあたり、これまで出土されたどの土偶と比べても、もっとも古いグループに属するという。本展には地元・滋賀で発見されたこの貴重な出土品をはじめ、国宝・重要文化財をふくむ総数300点以上の土偶・土器が展示される。これだけのまとまった展覧会は西日本では初とのこと。
 
 考古学的な知識を皆目持ち合わせていないので、わたしはもっぱらその造形のおもしろさだけを鑑賞してきた。大胆なデフォルメや奇抜な造形にまず目が行くが、ボディにつけられた点々や線状、あるいは渦巻き状の紋様にはとても繊細でていねいな細工が施されており、手仕事の確かさがじっくり確認できたのがなによりだった。縄文時代の造形は、なるほど奇抜で荒々しいものかもしれないが、けして稚拙だったり乱雑だったりするものではないのだな、というのがよくわかった。
 
 日本の土偶「だけ」に注目した展覧会をはじめて開催したのは大英博物館(2009年9月〜11月)で、ミュージアムショップにはそのときのカタログもわずかながら販売されていたので入手した。日本のカタログは上の書影でもわかるように黒いバックで対象物を浮き上がらせるような写真の撮り方をするけれど、大英博物館のカタログはぜんぶ背景が白い。そのためかぜんたいが明朗、軽快な印象で、眺めているだけでも楽しい。本展に限らず、日本のカタログってどうして黒い背景を好むのかな。たぶん、画面が締まってかっこよく見えるから、ということなんだろうけど、スカッと明るい誌面ってのも悪くないと思うんだけど。
 大英博物館展では岡本太郎への言及はもちろんのこと、“Dogū in popular culture”と題して藤子・F・不二雄「ドラえもん」や諸星大二郎「暗黒神話」からの一コマ、西川伸司「土偶ファミリー」などが紹介されている。なかでも大英博物館のお気に入りは星野之宣の「宗像教授異考録」で、カタログにもいちばん大きく画像を掲載しているし、その流れで本展にも「宗像教授」シリーズの原画がいくつか展示されていた(大英博物館展を企画したキュレーターが本展にも関与している)。星野さんは他に本展用にポスターを描いており、ご本人も10月20日に「公開インタビュー」というかたちで来館される由(14時〜、当日整理券配布)。そうえいば宗像教授の最終話って大英博物館を舞台にしていたけど、そんなつながりがあったのか。
 
 期間中に展示入れ替えがあるので全ての実物を見るには一度では無理なのだけど、会期の最後の1週間だけは国宝の3点が揃って見られるとのこと。おそらく大変混み合うだろうとは思うけど、そのチャンスを狙ってもう一度行ってみようかな。
 

2012 09 01 [design conscious] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

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