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「絵本 化鳥」のアニメーション

 
130511
●アニメーションでみる「絵本 化鳥」展
 2013年05月07日〜18日 art and healing+cafe hamesh
 
 11日にトークイベントがあり、出かけてきました。 
 2012年11月に、金沢市内の泉鏡花記念館に絵本「化鳥」の原画展を観に行ったことは当ブログの過去記事でも触れてます。このときアニメーションも観られるのかな、と期待してたんだけど残念ながら観られず。今回は関西でははじめての上映ということなので、押っ取り刀で駆けつけた次第。
 
 イベントは三部構成で、まずはアニメーション(13分くらい)の上映、続いてイラストレーター中川学さん、アニメーション作家青木香さん、そしてこれら一連の仕掛け人でもある泉鏡花記念館の学芸員、穴倉玉日さんの3人によるトークショウ。休憩をはさんで、青木さんの映像をバックに山口智さんのソロ。会場はこじんまりとしたカフェで、立ち見もでるほど満員でしたが、それでも2〜30人くらいだったかな?
 
  
 絵本の成立事情やその裏話なんかは、ポッドキャスト配信の「こぼうずラジオ(その1)・(その2)」などでも聞いていたけれど、より突っ込んだ話が聞けたのは嬉しい。特に青木さんの制作苦労話などははじめて聞くので、たいへん興味深かったです。絵本もアニメも<第5回金沢泉鏡花フェスティバル>に間に合わせなければならないという絶対条件のなかでの、ギリギリでのせめぎ合いは、今だからこそ笑い話として振り返ることもできるんでしょうけど、そのまっただ中はさぞかし修羅場だったんだろうなあ。
 トークの最中に話題にのぼっていた、青木さんが「動かしたいんですけど」と手を挙げたイベントは、2012年4月に天満橋のギャラリーで行われた「龍潭譚 創展(つくってん)」のトークイベントで、Ustreamに録画が残っています(1時間16分すぎ〜)。実はわたしも「アニメ向きかも」と書いたことがあったので、リアルタイムでこの配信を見ていておおっと思ったのをよく覚えています。
 
 さて、そのアニメーション。セリフやナレーションはなく、字幕も出てこない、音楽とビジュアルだけの構成。忙しく動き回るような派手なアニメーションではなく、ゆるやかな時間の流れや空間の広がりをゆったりと楽しむ、そんな作品に仕上がっています。
 正直、あらかじめ原作を読んでいないとぴんと来ない部分があるのはしょうがないですが、物語の細部をこちらで補完することになるので、ストーリーがより自由に広がりやすいとも言えます。トークショウの時にも指摘がありましたが、原作絵本では説明的すぎるという理由でカットされてた絵がこちらに使われていたことで、話の流れがよりつかめやすくなっています。
 
 第三部は山口智さんのソロライブ。シンセサイザーとハンマー・ダルシマーを一列に並べて同時演奏。最近はこのスタイルで演奏することが多いそうですが、目の当たりにすると迫力たっぷり。テーマとなるフレーズはアニメーション版の印象的なメロディを使いつつ、イマジネーション豊かに即興演奏が広がります。目をつぶって聴いていたいけどスクリーンに映る青木さんのビジュアルも観たいし山口さんの演奏する姿も追いかけたいしで、ああ忙しい。
 
 
 トータル1時間半ほどのイベントがあっという間。特にアニメーションはもう一度観たいなあ。この作品はもともと「泉鏡花フェスティバル」というイベントで上映するために制作されたアニメーションなので、パッケージソフトとして販売するにはいろいろとハードルがあるとのこと。いつか市販が実現したらいいな。
 なおcafe hameshでは、展覧会最終日の18日にも中川さんと装丁の泉屋宏樹さん、書家の上田晋さんの三人によるトークイベントがあります。すでに席は予約でいっぱいで、これから申し込んでも立ち見となるようですが、ご関心のある向きはぜひこの機会に。
 
 いちおうコンデジを持っていったにもかかわらず、写真を撮ることをすっかり忘れてただただイベントに夢中になっておりました。なので以上は感想文と言うよりも自分の覚え書き用のメモです。というか、ほとんど関連コンテンツのリンク集のようになってしまいましたが。
 

2013 05 12 [design consciousbooklearning] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

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