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スケオタへの道?

 
 オリンピックがからむ年は、ふだん以上に世間の注目を集めるということもありますが、それにしても今シーズンのフィギュアスケート界は「激動の」という一言を付け加えてまったく違和感がないくらいドラマティックな展開でしたよねえ。例年になく“世代交代”を強く印象づけたシーズンでもあったんじゃないかと思います。
 かくいう私も久しぶりに生フィギュア。思い起こせば2011年の夏、アイスショー『THE ICE』大阪公演を観て以来です(そのときの感想は→こちら)。
 3月に埼玉で行われた世界選手権の出場選手を中心に、当代の人気選手が顔を揃えた『世界フィギュア2014 大阪エキシビション』を観に行ってきました。
20140405
●世界フィギュア2014 大阪エキシビション
 2014年04月05日(土)・06日(日) 
 なみはやドーム(大阪府立門真スポーツセンター)
 
 土曜日2回、日曜日1回の計3回公演で、わたしは5日の夜公演に足を運びました。途中20分間のリンク整備休憩を含む、およそ2時間半の夢のステージ。
 
 オリンピック開催前にチケットを買った時点では、浅田真央選手の現役最後の姿が見られるチャンス?てな宣伝文句も踊っていたかと記憶しているんですが、ふたを開けてみれば残念ながら浅田さんは不参加。代わりと言ってはナニですが、昨年末の全日本終了後に現役引退を表明した織田信成さん、世界選手権後に引退を宣言した鈴木明子さんのスケートが見られたのはなによりでした。

2014program (写真左=公演プログラム/装幀者名記載なし)今回のエキシビションは、オリンピック〜世界選手権と、精神的にも肉体的にもハードな戦いを強いられたこともあってか、多くの選手たちはクール・ダウンというか比較的ゆったりとしたスケートをしていた印象。特に第一部では派手なジャンプは少なめ、かわりに優雅なスピンが多めだったかな。そんな中では村上佳菜子選手の演技がダンサブルで楽しかった。やっぱりこの人の笑顔は格別ですね。
 休憩をはさんで第二部は、ソチオリンピックならびに世界選手権のメダリスト級の上位選手がひしめきあっていて、さすがに迫力が違います。ついこの間までテレビでうっとり眺めていたスター選手が次々と目の前に現れるものだから、そりゃ興奮しますわな。コストナーすげえとかソトニコワさすがだわとかデニス・テンかっちょええとか、もういろいろ大変。なかでもパトリック・チャン選手や羽生結弦選手の登場時には会場中が一瞬にしてピークに達し、あらためてフィギュアスケート人気の高さを体感してみたり。ちなみにこのショーの模様は4月12日に関西テレビで放送されるとのことですが、アイスダンスのバーチュー&モイヤー組がアステア・ナンバー(トップ・ハット〜チーク・トゥ・チークのメドレー)でうっとりさせたあとのアンコールで、なんとあのヒット曲○○(伏字)を踊った場面なんかは放送されるのかなあ。
 
 
 公演終了後は、毎度の事ながら地下鉄駅に観客が殺到。天気さえよければバイクで行きたかったんですが、なにしろ当日は夜から雨との予報だったんですね。わたしもさんざん並んで電車に乗り込みました。通勤時でもここまでないぞというほどのぎゅうぎゅう詰めの車内、そういや今ここにいるのって全員がスケート好きなんだよなあと思うとなんだかおかしい。
 かろうじてつり革を握ってるわたしのすぐうしろでは、フィギュア観戦チケットのとれなさ具合を愚痴っているグループがおりまして、実は今回のチケットもなかなか取れずにいたから(たしか3回目の抽選でようやく入手できた)心の中でうんうんうなづきながら聞いていたら、そのグループは本気度が違うというかなんというか、競技会といわずショーといわず、日本国中のイベントすべてに出かけている強者集団だったようで。札幌のNHK杯はホント取れなかったねーとか、富山は取れやすいのに新潟は取れないってどういうこと? などと話し合ってたのでした(なんでも新潟なら東京から簡単に行きやすいから、そのぶんチケットが取りにくいんだそうな。なるほどねー)。チケット代はもちろん、交通費や宿泊代のことを考えると、この方たちって年間どんだけのお金をフィギュアスケートにつぎ込んでいるんでしょうか。“スケオタ”と呼ばれる人たちって、ホントに実在していたんだ…都市伝説じゃなかったんだ…。
 
 * * *
 
 で、そんなフィギュアスケートに夢中になっちゃってる人の描いたコミック・エッセイを2冊ご紹介。
Sukeota写真左
●フィギュアおばかさん
 カトリーヌあやこ著
 新書館/2014年2月初版
 装幀者名記載なし
 ISBN978-4-403-67152-4

写真右
●グだくさんのグ!!
 グレゴリ青山著
 メディアファクトリー/2013年11月初版
 Book Design:松田剛・大朏菜穂(東京100ミリバールスタジオ)
 ISBN978-4-04-066133-9

 『フィギュアおばかさん』は、月刊誌ウィングスに2011年4月号から連載されているコミックエッセイに描き下しを加えた1冊。似顔絵だけでもお腹いっぱいだけどそこかしこに描き込まれている作者のひとことコメントがなんともアツい。ジョニー・ウィアーに取材しにいった回(2011年12月号掲載)に至ってはその夜カトリーヌさん自身が熱を出して寝込んでしまったというオチで、いやまあ気持ちはわからなくもないですが。ともあれ小ネタがぎゅうぎゅうで、1ページあたりの密度が濃いったらありゃしない。なるほどスケオタさんってのはこういうところを見てるんだーと感心しながら読み終えました。
 グレゴリ青山さんの方はフィギュアを題材にしているのは第1章だけなんですが、こちらは生まれて初めてのナマ観戦! という初々しさが実に面白い。2013年2月に大阪市中央体育館で開催された4大陸選手権を見に行ったときの模様をレポしている作品で、その興奮ぐあいが手に取るように伝わってきます。で、この人も以降は順調にスケオタさんへの道を歩んでいる模様で、なによりでございます。
 この2冊、実はネタが被っている回がありまして、それが2013年のアイスショー『THE ICE』でのケヴィン・レイノルズ。小玉ユキ原作の名作『坂道のアポロン』サントラ曲を使った演目とあっては、こりゃもうマンガ家ならば反応せざるを得ないネタなんですね。それぞれどう料理しているか、読み比べてみるのも一興かと。
 

2014 04 06 [dance around] | permalink このエントリーをはてなブックマークに追加

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